日本最大級のECサイトである楽天市場。
楽天市場を活用し、オンライン販売を伸ばしていきたいと考える企業も多いのではないでしょうか?
楽天市場は多くのユーザーが集まる一方で、自社でオンラインショップを営む以上のコストがかかります。
そのため成功ノウハウを知っておかなければ、利益を出し出品し続けるのは難しいでしょう。
今回は楽天市場で儲けている企業の特徴から、成功するノウハウを抽出した情報を公開しています。
これから楽天市場に参入を検討している方や、出店中で売上が上がっていない方は成功のコツがつかめます。
ぜひ参考にしてください。
【併せて読みたい記事】
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成功ノウハウ前に理解しておきたい楽天市場の強み
成功ノウハウを知る前に、どんな場所で自分が戦っているのかECサイトの特性を知っておく必要があります。
楽天市場は、よくテナント型ECモールと言われます。
テナント型と呼ばれる理由は、1つの商品に対して各テナントが横並びで比較できるため、このように言われています。
そんな楽天市場の強みは大きく3つあります。
- 日本最大のECサイト
- 日本最大のポイント発行額
- 商品ページごとに作りこみが可能
まず1つ目の日本最大のECサイトについて解説します。
2021年を基準に楽天の利用人数など、以下の表にまとめます。
利用したことがある人数 | 5,104万人 |
流通総額(売上) | 5兆218億円 |
出店店舗数 | 約56,000店舗 |
商品登録数 | 3.6億円 |
ポイント発行額*1 | 6,200億 |
*1:2022年時点
利用したことがある人数が5,000万人以上ということは、日本人の約4割が利用した経験がある驚異の数値です。
多くのユーザーが利用する背景には、商品の品ぞろえが豊富にあることも要因ですが、ポイントの発行額も日本No.1 である点も大きいと考えられます。
たとえ品ぞろえが良くても相場より割高であるならば、ユーザーがネットで商品を買うのは渋るでしょう。
しかし楽天市場で購入すれば基本的に1%のポイント還元が受けられ、さらに現在はSPU↑の楽天サービスの利用状況により、最大16倍までポイント還元が受けられます。
ポイントを現金と同じ程度便利に使えるようになった現在では、約16%割り引いた状態で商品が買えるのと同義にとらえることも可能です。
最後に商品ページの作りこみについてですが、商品ページはテナントの雰囲気や商品の魅力を伝えるのに非常に重要です。
これはモール型と呼ばれるタイプのECサイトだからできる手法です。
商品だけでなくテナント自体のブランド力でも勝負ができるのは、楽天市場の魅力です。
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Yahoo!Japanとの違い
Yahoo!Japanと楽天市場の違いについて、数値から見ていきましょう。
利用したことがある人数 | 2,288万人 |
流通総額(売上) | 1兆6,525億円 |
出店店舗数 | 117万店舗 |
商品登録数 | 3.5億円 |
ポイント発行額*1 | 6,000億 |
*1:2022年時点
楽天市場と比較して出店店舗数は20倍ほど多いものの、商品数は同水準に留まっています。
Yahoo!Japanも楽天市場と同様にテナント型ECモールのため、ECサイトの特性は大きく変わりません。
流通総額でここまで差が広がっている要因は、Yahoo!Japanがもともと検索サイトを中心にビジネスを展開してきたためだと推測されます。
検索サイトとして日本でもトップを走っていましたが、Googleが現れたことにより検索サイトでトップが取れなくなりました。
そのためもともと注力していなかったYahooショッピングなどを後発的に育てた結果、ECサイト専業で現れた楽天に先をいかれたと考えられます。
現在Yahoo!Japanは最も売上が低いですが、注目したい点はポイントの発行額です。
Yahoo!Japanは通信会社のソフトバンクの傘下に属しているため、PayPayの普及が盛んです。
PayPayは実店舗の利用が盛んで多くのユーザーが利用しています。
PayPayを利用すればその分ポイントが溜まり、たまったポイントの使い先として今後Yahoo!Japanで利用する流れが始まるかもしれません。
またここ数年の間には、楽天のSPU↑と似たポイントアッププログラムを始めており、楽天市場とほとんど大きな差がなくなっています。
PayPayの発行額は、2023年度に楽天ポイントを追い越すと発表もされており、徐々に楽天市場からユーザーを獲得しようとしています。
出店者からするとYahoo!Japanは楽天市場と異なり、出店料など固定費がかからないため、市場の動向には目を光らせておきましょう。
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Amazonとの違い
Amazonと楽天市場の違いについて見ていきます。
利用したことがある人数 | 4,729万人 |
流通総額(売上) | 5兆4,567億円 |
出店店舗数 | 40万店舗 |
商品登録数 | 5億円 |
ポイント発行額 | ー |
Amazonはアメリカに本社がある会社ですが、日本国内でも最大規模のECサイトです。
商品登録数が圧倒的に多いのは、海外の会社も参入しており、日本で発売されていない商品も購入が可能です。
Amazonはマーケットプレイス型ECモールと呼ばれるECサイトであり、楽天市場と異なり商品は出品するだけで、各商品ページなどは作ることができません。
個別商品ページが作れないデメリットは大きく2つあります。
- 他社と差別化できる箇所が商品のみ
- Amazonのカートに表示されている出品者から基本的に購入される
後者のカート表示に関しては、Amazon自体も商品を保有し販売しています。
そのため、Amazonが出品している商品と同じ商品を扱う場合、優先的にAmazonが出品者となるため勝ち目が少ないと考えておいた方が良いでしょう。
逆に利用するユーザーからすると商品のみで勝負しているため、多くは価格競争となり他のECサイトより商品価格が安いことが多いです。
出品者側のメリットは、こちらもYahoo!Japan同様に利用に固定費はかからず、小口出品と大口出品の2つの料金プランのみで、わかりやすいことです。
楽天市場で成功する9つのノウハウ
楽天市場の特徴を理解できたところで、ここからは成功するノウハウを紹介します。
楽天市場で成功している企業の共通点を洗い出した結果、9つのノウハウがあります。
- 楽天市場のルールを定期的に確認する
- ライバル企業や取り扱う市場の動向をチェックしている
- 楽天市場のイベント情報などを見逃さない
- 検索キーワードの見直しをしている
- 月に1回はユーザーのアクセス解析に取り組んでいる
- ユーザーが見やすいページデザインを取り入れている
- 必要があれば楽天の広告も利用している
- レビュー内容には必ず目を通している
- リピーター獲得に取り組んでいる
9つと多いですが、ガイドラインの遵守から楽天SEO対策、個別ページの作成、リピーターの獲得まで、出品から販売までの手順で並べています。
最初から見ていただくことで、どこができていないかチェックすることも可能です。
では、それぞれ詳しく解説していきます。
楽天市場のルールを定期的に確認する
楽天市場で出品する以上、プラットフォーマーの運用ルールに則り、店舗を運営することは必須です。
ECサイトのルールを守らなければ、商品の掲載ができなくなることや、最悪の場合アカウント削除まで発展する可能性があります。
ECサイトでは検索表示のアルゴリズムや、ガイドラインの変更などルール改定が定期的に行われており、一度設定すれば終わりではありません。
特に楽天やYahoo!Japanのテナント型ECモールは、商品ページの作りこみや検索KWの対策ができる分、ルールの変更があった際に対応する箇所が多くなりがちです。
1例として、2020年には楽天で禁止タグが追加され一部CSSが組み込み不可となり、出店者に大きな混乱を招いていました。
このようなルール変更にあわせて変更していかなければ、気づいた時には掲載停止されていることもありますので、まずは定期的にガイドラインをチェックするようにしましょう。
ライバル企業や取り扱う市場の動向をチェックしている
楽天市場は多くのユーザーから利用されますが、比例して出店する企業も多いです。
特にテナント型のため同じ商品を販売している場合、商品とテナント両方を比較され商品は購入されます。
そのため、特に何も対策せず商品を出品しただけでは、商品を購入してもらえることはありません。
出店して利益を上げるには、商品や他店を徹底的にリサーチすることが必要です。
同じ商品を取り扱っているのであれば、他店と比較したテナントの違いはどこなのか、ユーザーが自社から購入するメリットは何があるのか考えてみましょう。
またライバル企業の分析と合わせて、市場の動向もチェックが必要です。
一例としてコロナウィルスにより外出禁止令が発表された時には、ほとんどのお店でマスクが品切れになり価格が高騰しました。
上記のような事態でも通常通り商品を仕入れていたら、一定期間は売上はたたないでしょう。
ウィルスはあくまで一例ですが、他にも最近流行りの商品は何か、ブームは何かを観察することで、品ぞろえに反映することも可能です。
常にライバルと市場の動向を意識して、運営している会社こそ長く売上を上げ続けています。
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・楽天で売れるために必要なアクセス数と平均は?増やす方法も紹介
楽天市場のイベント情報などを見逃さない
楽天市場で出店するなら、イベントに参加しましょう。
買いまわりセールや楽天スーパーセールなど定期的に開催されるイベントは、商品購入で獲得できるポイントの還元率が高くなり、多くのユーザーが買い物をします。
楽天市場を利用するユーザーの中には、イベントまで買い物を控えて、お得な期間中のみ購入する方も多く存在します。
イベントに参加すれば、売上を大きく伸ばすチャンスでもありますし、楽天SEOでは商品の売上も見られていると考えられていますので、積極的に参戦しましょう。
最近では開催が近づくまで、いつイベントがあるかわからないことが多いです。
こうした場合は、原則的として昨年行われたタイミングに沿って今年も実施されるケースがほとんどのため、事前に過去のスケジュールを確認することをおすすめします。
検索キーワードの見直しをしている
楽天市場で商品を購入するユーザーの多くが、検索から商品を購入しています。
そのため検索表示一覧に商品がでなければ、そもそも売上につながりません。
検索表示されるためには、まず商品登録をする段階でタグIDなど正確な情報を設定することが必要です。
そのうえで検索結果上位に表示されるためには、楽天SEO対策を施さなければなりません。
楽天SEO対策といえど、ユーザーが何を検索するかは実際に検索されるまでわからないため、事前に検索されると想定するキーワードを設定しておく必要があります。
サジェストキーワードを使う、関連キーワードを用意するなどキーワードを選定する方法はいくつか存在しますが、必ずしも設定したキーワードでユーザーが流入してくるかはわかりません。
楽天市場のルールと同様ですが、一度SEO対策を講じたからと言って、一定期間ユーザーからのアクセスがない、検索でも上位が表示されない場合はキーワードを追加もしくは見直しましょう。
具体的なキーワード選定方法が知りたい方はこちらの関連記事を参考にしてください。
【併せて読みたい記事】
・【2023年最新】よくわかる楽天SEO対策!アルゴリズムを分析
月に1回はユーザーのアクセス解析に取り組んでいる
キーワードの設定などが終わったら、必ずユーザーのアクセス解析に取り組みましょう。
良い時も悪い時も振り返るのが成功のポイントです。
楽天市場で出店する企業は、楽天RMSを使うことでアクセス解析が可能です。
楽天RMSの店舗カルテから、主に以下の項目が確認可能です。
- 売上
- 購入した顧客の属性
- 売れている商品
- 流入経路など
誰でも簡単に操作できるようダッシュボード形式で表示されます。
顧客に対して感覚で対応する企業は昔は多かったですが、現在はデータを用いて正しく判断することがユーザーを理解することにつながり、楽天市場で成功し続けるコツでもあります。
ユーザーが見やすいページデザインを取り入れている
検索で上位表示が取れ始めたら、商品ページにもこだわりましょう。
楽天市場のユーザーは検索から商品を購入します。
検索上位表示されることは商品ページアクセスのために大切ですが、次に商品ページにアクセスしてもらう必要があります。
商品検索一覧から個別ページを見てみたいと思わせるために、最も重要なことはサムネイル画像です。
人はテキスト情報より、図やイラストなどのビジュアル情報の方が記憶に定着しやすいことや、理解しやすいことがわかっています。
サムネイル自体もSEO対策として見られていると考えられているため、注力して作成しましょう。
個別商品ページアクセス後、ユーザーがわかりづらいと感じる内容の場合すぐに離脱してしまいます。
WEBページのデザインは奥が深いですが、わかりやすいと言われるページには共通点があります。
一部ですがページデザインに取り込みたいポイントを紹介します。
- 伝えたい情報を3つに絞る
- ECサイトのルールに沿って情報を配置する
- ファーストビュー、ボディ、クロージングの構成にまとめる
- スマートフォン対応をする
理屈を理解せず、真似て作ったWEBサイトでも収益をあげることは可能です。
ただし継続して成功するためには、理屈を理解したうえで改善を繰り返す方が、成功の確率は高くなります。
学習したことがない方は勉強する価値はありますので、自社のページを見直すキッカケにしてください。
また関連記事で、WEBページに取り入れたい項目を細かく紹介しています。
【楽天ECサイトの作り方】誰でも簡単に映えるデザインにする方法
必要があれば楽天の広告も利用している
広告は効果があるかわかりづらいため、敬遠する企業も多いです。
たしかに広告は必須ではありませんが、やった方が効果が高い場面もあるのは事実です。
上記を理解している企業は、将来性を見据えて広告を運用することや、イベント時には特設ページに広告を張って集客しています。
特に楽天SEO対策では、広告経由で商品が購入された場合も、評価対象とするため広告期間終了後も効果が持続します。
そのため、一般的な広告よりは費用対効果は高いと言えます。
参考までに楽天市場で使用できる広告を紹介します。
広告の種類 | 支払い | 主な広告 |
運用型広告 | 成果に応じて支払い | 検索結果表示のPR広告 |
ディスプレイ広告 | 決められた金額支払い | イベント時の特設ページの掲載など |
ニュース広告 | 決められた金額支払い | メルマガ |
運用型広告は成果に応じた支払いのため、出店したばかりの企業や小規模、まずはお試しで使ってみたい企業にはおすすめです。
レビュー内容には必ず目を通している
レビューは購入したユーザーから直接フィードバックをもらえる貴重な機会のため、必ずチェックしてください。
レビューはユーザーが自主的に記入する内容のため、良くも悪くも予想を大きく外れた場合に、わざわざ記入してくれることがほとんどです。
そのため、辛辣な内容もありますがある意味でテナントの改善すべきポイントを教えてくれているととらえることもできます。
また反対に、よかったことを書いていただける場合はテナントの長所を改めて自覚する機会にもなります。
ユーザーからの声に真摯に対応することで、企業のブランド力はより強化されるでしょう。
【併せて読みたい記事】
・楽天レビューツールとは?おすすめツール・設定・活用法を解説
・楽天レビュー自動化ツール「らくらクーポン」とは
リピーター獲得に取り組んでいる
成功するために欠かせないのが、リピーターの獲得です。
リピーターが増えれば増えるほど、経営が安定します。
リピーターを増やす方法はいくつかありますが、その1つに楽天RMSから利用できるメルマガ配信があります。
メルマガは企業から能動的に情報をユーザーに送れるため、非常に有効なツールです。
楽天が指定する条件を満たすメール配信は、週に1度無料かつ1通あたり1円で配信できます。
リピーターが多くなればその分コストが増えますが、リピーターの数に対してメルマガのコストを考えると十分元は回収できるでしょう。
【併せて読みたい記事】
・リピーター施策にも!楽天レビュー自動化ツール「らくらクーポン」を徹底解説
まとめ
楽天市場は日本最大のECサイトであり多くのユーザーが利用するためうまく活用できれば、売上を伸ばすことが可能です。
一方で他のECサイトと比べ出店には固定費がかかるため何も対策をしなければ費用だけ支払うことになってしまいます。
楽天市場で出店する際は他サイトとの違いを理解し、成功している出店者のノウハウを真似することが大切です。
今回紹介した成功ノウハウを1つでも取り入れていただければ、ECサイトの運営が少しでも変わるかと思います。
また楽天市場の出店案内の中には、各ジャンルで成功した事例が無料で公開されています。
自社と似たジャンルを取り扱う企業を参考にしてもよいですし、ノウハウから個別の事例を探しても良いので一読してみてください。
記事内では、楽天市場で成功している企業の共通点を洗い出した結果、9つのノウハウにまとめて紹介してみました。例えば、「ライバル企業や取り扱う市場の動向をチェックする」「楽天市場のイベント情報などを見逃さない」などが挙げられます。詳細は記事を参考にしてみてください。
楽天市場の出店案内の中には、各ジャンルで成功した事例が無料で公開されています。自社と似たジャンルを取り扱う企業を参考にしてもよいですし、ノウハウから個別の事例を探しても良いので一読してみてください。