EC事業者やこれからEC運営を始める方のなかには、大型ECモールであるAmazon販売を検討している方も多いでしょう。
近年、EC事業が活発化しており、多くのユーザーが利用するAmazonをうまく活用できれば大きな売上アップも期待できます。
ただし、商品の管理方法がいまいち分からない方も少なくないはずです。
この記事では、Amazon販売で在庫管理をおこなうべき理由や、業務効率を高められるおすすめのシステム・ツールを紹介します。
目次
Amazon販売で在庫管理システム・ツールは必要?4つの理由
在庫管理とは、顧客が欲しいタイミングで商品を共有できるよう、原料や資材、商品などの在庫数の適正化を図る管理方法です。
在庫管理は、在庫数や在庫の状態を確認する作業で、商品の売れ行きや回転率の低い商品を把握できます。
物販ビジネスにおいて在庫管理をおこなうべき理由としては、下記の4つがあります。
- 正確な在庫数の把握
- 在庫不足の防止
- 過剰在庫の防止
- トレンド商品の分析
それでは、ひとつずつ解説します。
正確な在庫数の把握
在庫管理をおこなえば、正確な在庫数を把握できます。
在庫数の正確な数値を把握していないと、商品の売れ行きや回転率を分析できません。
つまり、正確な在庫数を把握すれば、大まかな売上や利益を予想でき、追加で仕入れるべきかどうかの判断に役立ちます。
出品日から短い期間で売れる商品を把握していないと、売上を上げるスピードを加速できません。
回転率の高い商品は仕入れ数を増やし、回転率が悪い商品は仕入れないなど、売上を上げつつ在庫を抱えるリスクを軽減するためにも在庫数の把握は大切です。
在庫不足の防止
在庫不足や過剰在庫の防止は物販ビジネスにおいて非常に重要な課題といえます。
在庫管理によって、在庫数を確認しておけば注文がいつ入っても柔軟に対応できます。
在庫不足が生じると、せっかく注文が入っても提供する商品がなく、売上アップを逃してしまうでしょう。
Amazonでせっかくカートを獲得しても、在庫がないと機械損失となってしまいます。
頻繁に在庫不足が起こると、機械損失が生じるだけでなく、顧客の信頼も失うでしょう。
顧客満足の向上はリピーター率アップと同時に、売上アップにつながります。
Amazonだけでなく自社ECサイトで自社製品を出品している方は特に、リピーター獲得が売上アップに大きくつながります。
過剰在庫の防止
在庫管理は過剰在庫の防止にも役立ちます。
物販ビジネスにおいて、無視できない課題が在庫リスクです。
商品が売れないと在庫を抱えてしまうため、利益が出ないだけでなく管理コストも発生します。
Amazonの場合、大口出品なら自身で在庫を管理する必要がありませんが、小口出品だと商品が売れるまで自身で管理しなければなりません。
また、長期間売れていない商品で注意すべきなのが品質の低下です。
特に飲食物は経年劣化によって販売できなくなる可能性があります。
販売できたとしても、品質の低下が原因で購入者からクレームを受ける可能性もあります。
大型ECモールのAmazonを活用するなら特に、在庫の把握は売上アップや利益の最大化に大きく役立つでしょう。
トレンド商品の分析
在庫管理で見つかった回転率の高い商品は、トレンド商品といえます。
トレンド商品は一時的ではるものの回転率が非常に高くなります。
トレンド商品がどれかを分析し、在庫不足にならないよう管理するのが効率よく売上を伸ばすために大切です。
商品の売れ行きを把握できれば、次の仕入れるタイミングの目安を立てられます。
トレンド商品は波に乗っているタイミングでいかに多くの商品を売りさばくかが重要です。
在庫数の増減を確認し、回転率の高い商品は優先的に仕入れるべきでしょう。
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Amazonの在庫管理を行う2つの手段。システム・ツールは必須?
現在抱えている商品の売れ行きや数を把握する方法としては、自分で管理する方法と在庫管理システム・ツールを活用する方法の2つあります。
Amazon販売を始めたばかりなら、在庫数もさほど多くないでしょうから、自分だけで管理できるでしょう。
ただし、事業規模が成長し、売上が上がるにつれて抱える在庫も多くなります。
在庫数が多くなってきたら、在庫管理システムやツールを導入した方が正確に管理できます。
それでは、商品を管理する2つの方法を順に見ていきましょう。
自分で管理する
エクセルやGoogleスプレッドシートなどを用いて自分で在庫を管理することは可能です。
自分で在庫を管理すると、管理コストを削減できます。
管理シートに、商品名や仕入れ日、出荷日、在庫数、値段、仕入れ先などを記入すれば、どの商品が売れているかなどを確認できます。
ただし、すべて手作業で打ち込む必要があるため、在庫数が多くなると手間や時間がかかる点が欠点です。
管理シートの作成には時間がかかりますが、管理コストを抑えたい方にはおすすめな方法といえます。
なお、人的ミスが目立つようになったり、事業規模が大きくなってきたりしたら、在庫管理システムやツールを導入する方が良いでしょう。
在庫管理システム・ツールを活用する
在庫管理システム・ツールとは、在庫数の動きを自動的に検知し、知らせてくれるものです。
Amazonの商品が在庫不足になったら、通知によって知らせ、出品を自動的に停止します。
したがって、在庫切れが生じているのに購入されるのを防げるため、クレームなどのトラブル回避にも役立ちます。
日々の在庫管理が楽になるだけでなく、効率よく売上を伸ばすためにも在庫管理システム・ツールの導入は検討すべきでしょう。
Amazonで活用できる在庫管理システム・ツールとして有名なのが「セラーセントラル」と「FBA」です。
在庫管理システム・ツールであるAmazonのセラーセントラルとは?
セラーセントラルとは、出品時に商品登録をおこなったり、在庫管理ができたりと、Amazon販売で役立つ機能を搭載しているツールです。
発注管理や受注管理、データ分析なども可能で、初めてAmazonに出品する方でも安心してビジネスができるようサポートしてくれます。
ここでは、セラーセントラルの特徴や利点、注意点を紹介します。
セラーセントラルの特徴
導入するには、Amazonの購入アカウントだけでなく、出品用アカウントの作成も必要です。
登録時には、必要事項を入力し、本人確認書類をアップロードすれば3営業日程で審査結果が判明します。
活用時には、「在庫」タブと「注文」タブを頻繁に使用する場合が多いでしょう。
在庫タブでは、Amazonで販売したい商品の登録や、登録した商品の在庫数を管理できます。
注文タブでは、購入者の情報や配送ステータスの確認、受注管理が可能です。
セラーセントラルの利点
セラーセントラルを導入すれば、商品登録から顧客や在庫データの管理・分析が可能です。
具体的には、下記のような操作ができます。
- 商品登録や出品
- 売上や手数料などのレポート表示
- 購入者の評価を確認
- コンテンツ管理を含む在庫管理
- 商品価格の確認や変更
- 注文ステータスの確認
- 自社ページの作成
- Amazon販売ページで表示される広告の設定
法人で導入する場合には、複数の担当者で利用できます。
なお、閲覧権限を付与できるのはAmazonの登録者のみです。
閲覧だけでなく、「管理」や「表示と編集」、「なし」などの権限付与も可能ですので、社内以外の人に委託する際にも役立ちます。
セラーセントラルの注意点
Amazonとは別のECモールで販売したり、登録情報を間違えていたりする場合、在庫数が実際の数と異なる場合がある点には注意してください。
セラーセントラルは、出品する際に登録した商品の数にもとづいて在庫を管理している仕組みとなっています。
したがって、登録している商品とほかの在庫は別々で管理するといった対策が必要です。
また、商品の登録情報に誤りがある場合、Amazonから情報修正の通知がきたあとも放置していると、アカウント停止となる可能性もあります。
Amazonが定める規約を破ったり、顧客に対して不利益となる商品を提供した場合もペナルティを受けますので十分に注意してください。
【併せて読みたい記事】
Amazon大口と小口の違い: 最適な選択をするためのガイド
AmazonのFBA(Fullfillment by Amazon)とは?
FBAとは、商品の管理や購入者への発送、返品やクレーム対応など、販売における一連の作業を委託できるサービスです。
セラーセントラルとうまく活用すれば、初心者の方でも安心してAmazon販売をおこなえるでしょう。
それでは、FBIの特徴や利点、注意点を紹介します。
FBAの特徴
FBAを利用するには、セラーセントラルの登録を済ませたあとに、Amazonフルフィルメントセンターへ商品を納品する必要があります。
商品を納品すれば、その後の作業をFBAに委託できるため、自分で在庫を管理したり、購入者のもとへ商品を発送したりする手間を省くことが可能です。
FBAには、Amazonの商品情報だけ管理する通常のサービスと、FBAマルチチャネルサービスの2つのサービスがあります。
FBAマルチチャネルサービスでは、Amazonだけでなく、楽天やヤフーショップなどで販売している場合でも商品の管理を委託できます。
FBAの利点
FBAの利用商品はプライム対象商品となるため、お急ぎ便や当日お急ぎ便に対応可能です。
Amazonユーザーはプライム商品かどうかを購入する決め手にしている場合も多く、プライム商品ではない同じ価格の商品より購入されやすくなります。
また、クレジットカード決済以外の決済方法にも対応しているため、幅広いユーザーをターゲットにできます。
商品の管理や配送の委託によって自社の業務に生じる負担を軽減できるだけでなく、人件費や在庫の管理に必要なスペース・コストの削減も期待できる点はFBAの大きな強みです。
加えて、注文に対して24時間365日対応しており、顧客に商品が到着するまでスピーディーなため、顧客満足度アップも期待できます。
FBAの注意点
FBA利用には在庫管理や配送に生じる手数料がかかりますので注意してください。
基本料金+販売手数料+保管手数料が必要で、基本料金は小口出品と大口出品で異なります。
小口出品は1商品につき100円、大口出品は月々4,900円の費用がかかります。
商品の種類やサイズによっても配送料が変動するため、自社配達する場合との比較をしてみてください。
FBAで生じる詳しい費用については、下記をご覧ください。
参照:料金プラン、配送手数料、料金シミュレーター | Amazon出品サービスの料金
Amazon販売で在庫管理するならシステム・ツールを活用すべき
複数のECモールで商品を販売している場合、実在庫とAmazon内の在庫数を正確に把握・管理するのが難しいといえます。
そこでおすすめなのが、在庫管理システム・ツールの導入です。
自分でおこなうより確実かつ迅速に在庫を管理でき、パソコンにひとつずつ打ち込む手間がありません。
管理コストの削減や業務効率化の向上が期待できる在庫管理システム・ツールの導入は、利益の最大化を図るうえで非常に重要な選択といえます。
導入にはコストがかかるものの、売上を大きく伸ばしたいならぜひ在庫管理システム・ツールの導入を検討してみてください。
Amazon販売でおすすめな在庫管理システム・ツール4選
ここでは、Amazon販売でおすすめな在庫管理システム・ツール4選を紹介します。
それぞれの特徴や費用を比較し、現状に合ったシステムやツールを導入してみてください。
NEXT ENGINE(ネクストエンジン)
NEXT ENGINEはNE株式会社が提供しており、受注や発注、在庫の管理を一元で操作できます。
さまざまなECモールにも対応しており、まとめて商品登録が可能です。
セラーセントラルとの連動によって、管理画面に表示している注文の情報を自動的に更新できる点が特徴です。
サポート体制も充実しているため、初めて在庫管理システムを導入する方でも安心できるでしょう。
初期費用0円、月額料金は10,000円+従量課金制で、導入から30日間は無料で利用できます。
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TEMPOSTAR(テンポスター)
TEMPOSTARはSAVAWAY株式会社が提供しており、複数のECサイトを連携・自動化できます。
受注管理や在庫管理、商品管理の情報を連携できるため、複数のECモールでショップを運営している場合に業務効率化を図れます。
基本機能だけでなく、個別カスタマイズも可能なため、導入しても既存の業務に支障が出にくい点も特徴です。
初期費用は0円、月額料金は10,000円+従量課金制or定額プランで、30日間のお試し期間を設けています。
TEMPOSTARの詳細はコチラから
mylogi(マイロジ)
mylogiはアートトレーディング株式会社が提供しているシステムで、シンプルな画面と操作によって、初めて利用する方でも安心しやすい点が特徴です。
在庫状況を瞬時に把握でき、売上を自動で計上する機能が搭載してあります。
Amazon以外のECモールとも連携しており、サポート体制も充実しています。
初期費用は100,000円、月額料金は30,000円〜です。
CROSS MALL(クロスモール)
CROSS MALLは株式会社アイルが提供しているシステムで、ネットショップと実店舗の連携が可能です。
APIによるPOSシステムとの連携で実店舗で売れた商品とECモールの在庫情報を連動できます。
Amazon以外のECモールにも対応しており、在庫情報の更新を自動的にできるため、業務効率化を図れます。
初期費用は0円、月額料金は5,000円〜×利用するサイト数で変動する仕組みです。
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Amazonの在庫管理システム・ツールを導入し売上を伸ばそう
この記事では、Amazon販売で在庫管理をおこなうべき理由や、業務効率を高められるおすすめのシステム・ツールを紹介しました。
国内だけでなく、世界中で利用されているAmazonですが、多くの出品者がいるため競争を勝ち抜く必要があります。
正しく在庫を管理できれば、在庫不足や過剰在庫を防げるだけでなく、トレンド商品の分析や仕入れるタイミングの目安を立てるのに役立ちます。
エクセルやGoogleスプレッドシートを用いて自分でも在庫は管理できますが、専用のシステムやツールを導入した方が効率的かつ確実です。
本記事で紹介した在庫管理システム・ツールを導入し、売上アップを目指しましょう。