楽天市場とAmazonは、日本のECモールの2TOPでありながら、方向性が真逆なことでも有名です。
楽天市場は日本国内で運営しているECモールなため、こだわりや独自性を出しやすいECモールです。
Amazonはアメリカ発の世界的なECモールなだけあって、合理的でビジネスライクな面があります。
もしネットショップの出店を考えているのであれば、それぞれの違いを理解しておきましょう。
「Wacworks」では、Amazonや楽天運営でお困りごとのある方に向けて現状の最適な施策を打ち出します。
- Amazonと楽天市場の売上を伸ばしたい
- Amazonと楽天のSEO対策を強化したい
- Amazonと楽天別に戦い方を知りたい
競合分析や市場分析がうまくいかずに悩んでいる場合も、お気軽にご相談ください。
目次
楽天とAmazonのビジネスモデルの違い
楽天は「テナント型」でAmazonは「マーケットプレイス型」
楽天市場とAmazonはどちらもECモールですが、「ECモールのタイプ」が違います。楽天市場は店舗を出店する「テナント型ショッピングモール」、Amazonは商品を出品する「マーケットプレイス型ショッピングモール」といった形で店舗運営をしていきます。
楽天市場は、商品の売り出し方を店舗ごとに決めることができ、商品ページやサイトデザインの自由度が高いのが特徴です。
ただし、知識が必要で難易度が高く、商品を出品するのに時間がかかります。
Amazonは、Amazon内で1つの商品につき1つしか商品ページを作成できないため、1つの商品を複数店舗が販売するとしても商品の売り出し方で独自性を出すことができません。
その分、出品作業に時間を取られることがなく、簡単に出品できます。
楽天市場は、ショップの独自性を出しやすいため、ファンやリピーターの獲得、商品の価値を訴求したい人に向いています。一方で、Amazonは、ネットショップ運営の難易度が低く、商品の出品より商品の選定や広告などのコア業務に集中したい人に向いています。
店舗やブランドの独自性の出しやすさ
楽天市場とAmazonの違いに、店舗やブランドの独自性の出しやすさがあります。
楽天市場では、商品を出品する際、店舗ごとに商品ページを作成します。
商品ページはデザインの自由度が高く、WEBデザインの知識があれば独自性のあるページも作成可能です。
ユーザーにショップイメージを印象付けることができ、ショップのファンを作りやすく、リピート率の向上も期待できます。
Amazonは、1つの商品につき商品ページを1つしか持てないため、出品している店舗が1店舗でも10店舗でも、1つのページを共有するしかありません。
そのため、楽天市場に比べて、Amazonの方がショップやブランドの独自性は出しにくい性質があります。
ユーザー側から見た分かりやすさ
楽天市場では、商品を検索した際、検索結果ページが同一の商品や類似商品が混ざった状態になってしまいます。
同一の商品を複数の店舗が販売していれば、店舗の数だけ商品ページができてしまうからです。
Amazonは、1つの商品につき商品ページを1つしか作成できないため、商品検索結果ページに同一商品が重複して表示されることはありません。
ユーザー側から楽天とAmazonの違いを見たときに、Amazonの方が類似商品との比較がしやすく、欲しいものにスピーディーにたどり着ける仕様になっています。
価格競争の起こりやすさ
楽天とAmazonでは、価格競争の起こりやすさも異なります。
楽天は、商品ページを他店と共有することがありません。そのため、価格だけではなく、タイトルや画像などの魅力でも勝負でき、他店との戦い方に幅があります。
Amazonは、商品ページを他店と共有するため、「この商品を買うなら、どの店舗(’価格)で買うか?」という判断基準になりやすいのです。
Amazonは、楽天と違い、ユーザーに自店を選んでもらうために値下げするのが一番手っ取り早くなるため、価格競争になりやすい傾向にあります。
Yahoo!を含めたECモールの比較は、以下の記事でも詳しく解説しているので、参考にしてください。
楽天とAmazonの集客力の違い
会員数と売上(流通額)
楽天とAmazonのそれぞれの利用者数と流通額の違いは以下の通りです。
楽天 | Amazon | |
ユーザー数 | 5,104万人 | 4,729万人 |
売上(日本流通額) | 1兆9278億7800万円 | 3兆1958億7600万円(1ドル=131円換算) |
ユーザーの比率は、楽天は全体的に女性の割合がやや多く、Amazonは男性の割合の方がやや多くなっています。
特に、35〜49歳の女性は楽天に、18〜34歳の男性はAmazonに集中しやすい傾向があるため、店舗のメインターゲット層に強い方を選ぶのもおすすめです。
出店数
楽天とAmazonは、出店数に大きな開きがあります。
- Amazon:推定30万店舗
- 楽天:5万6,826店舗
※Amazonの数値は公式のデータがないためあくまで推定の数値です。
楽天市場は、初期費用や月額費用が高く、販売実績がないと審査に通らないなど出店審査が厳しいECモールです。
Amazonは、楽天市場と比べてコストも安く、出店審査もゆるいので、それぞれの参入障壁の違いも色濃く反映されています。
ポイントシステム
楽天市場とAmazonは、それぞれに独自のポイントシステムを導入しています。
楽天市場 | Amazon | |
レート | 1ポイント1円 | 1ポイント1円 |
ポイント付与率 | ・基本的に1%・ショップ原資で更に付与率UPも可能 | ・商品ごとに設定可能(商品ページに記載あり) |
ポイントUP施策 | ・楽天会員ランクや楽天グループのサービス利用でポイント最大15.5倍・ポイントアップイベントあり | Amazon Mastercardでの支払いでポイント還元率1.5%(プライム会員は2%) |
楽天ポイントは日本国内であれば楽天グループ以外にコンビニや飲食店など多くの買い物時に利用できる利点があります。
そのため、楽天ユーザーはポイントにお得感を感じる傾向が強いです。
楽天市場の方が、Amazonよりもポイントを絡めたセールやイベントなどの施策が多いので、ポイントを活用した売り出し方も有効です。
キャンペーン
楽天とAmazonは、それぞれにセールやイベントを開催してユーザーを呼び込んでいますが、各モールで開催頻度が大きく異なります。
また、楽天は「毎月○日に開催」「毎週○曜日に開催」などの毎月ルーティンに組み込むイベントも多く、セールとイベントが重なるとポイント最大倍率が上がるなど、Amazonと比べて集客施策が非常に多いのが特徴です。
楽天市場 | Amazon | |
1月 | ・初売りセール | |
2月 | ||
3月 | ・楽天スーパーSALE | ・新生活セール |
4月 | ||
5月 | ||
6月 | ・楽天スーパーSALE | |
7月 | ・プライムデー | |
8月 | ||
9月 | ・楽天スーパーSALE | |
10月 | ・プライム感謝祭 | |
11月 | ・楽天ブラックフライデー ・楽天イーグルス感謝祭 | ・ブラックフライデー |
12月 | ・楽天スーパーSALE ・楽天大感謝祭 | |
不定期 | ・楽天超ポイントバック祭 ・39ショップ買いまわり ・楽天お買い物マラソン(ほぼ毎月) | ・タイムセール祭り(年10回程度) |
ミニイベント | ・ワンダフルデー(毎月1日) ・ポイント5倍デー(毎月5か0がつく日) ・勝ったら倍(楽天イーグルス・ヴィッセル神戸勝利翌日) ・いちばの日(毎月18日) ・プレミアムカードデー(毎週火・木) | ・タイムセール |
楽天とAmazonの広告の違いについては、以下の記事でも詳しく解説しているので、参考にしてください。
楽天とAmazonの出店難易度の違い
出店審査の難易度
楽天とAmazonは、出店審査の難易度にも大きな違いがあります。
楽天は出店審査の難易度が高く、初期費用もかかります。
- 副業での出店禁止
- 出店審査に1〜2カ月かかる
- 更に開店前審査に1〜2カ月かかる
Amazonの出店審査はゆるく、初期費用もかかりません。
- 副業での出店OK
- 出店審査3営業日程度
- 開店前審査なし
楽天は実績のないECショップの出店を断ることもあるため、ネットショップの運営自体が初めてであればAmazonから始めましょう。
出店費用・手数料
楽天とAmazonの出店費用や手数料の違いをまとめました。
楽天 | Amazon | |
初期費用(税込) | 66,000円 | 0円 |
月額費用(税込) | ・21,450円(がんばれ!プラン) ・55,000円(スタンダードプラン) ・110,000円(メガショッププラン) | ・0円(小口出品) ※1回購入ごとに成約料100円 ・4,900円(大口出品) |
手数料 | システム利用料 ・3.5〜7%(がんばれ!プラン) ・2%~4.5%(スタンダードプラン) ・2%~4.5%(メガショッププラン) | 販売手数料8~15% |
その他 | システムサービス利用料 ・楽天ポイント:購入代金の1.0% ・安全性・利便性向上のためのシステム利用料:月間売上高の0.1%(税別) ・楽天スーパーアフィリエイト:アフィリエイト経由の売上の2.6%~(税別) ・R-Messe:会話量に応じた料金 ・楽天ペイ:月間決済高の2.5%~3.5% | – |
楽天市場はセールやイベントなどの施策が多く、決済システムなどモールの整備も行き届いていますが、その分支払う項目が多く、月額手数料や初期費用もかかります。
Amazonは楽天とは対照的で、集客施策が少ない分、支払う項目もコンパクトで分かりやすいです。
自社ページの自由度・難易度
商品ページや自社ページにも大きな違いがあり、楽天市場の方が自由度も難易度も高く、Amazonの方が自由度は低く難易度も低いです。
楽天市場は店舗レートも豊富で、商品ページのカスタマイズも自由なため、商品の魅力やショップの雰囲気をしっかり表現できます。
ただし、カスタマイズにはWEBデザインの知識や技術が必要で、時間もかかりがちです。
Amazonは掲載する内容が決まっているため、自由度は低いですが、作成するハードルも低く特別な技術も必要ありません。
楽天とAmazonの出店者へのサービス内容
サポート体制
楽天は専属のECコンサルタントがつきますが、Amazonでは専属の担当者は付きません。
そのため、Amazonで不明点が出た場合はサポートフォーラムで検索したり、問い合わせ窓口からメールを送ったりする必要があるため、解決までに時間がかかる可能性があります。
楽天の場合は担当者へ電話で問い合わせることができ、解決までがスムーズです。
楽天とAmazonのサポート体制は、すぐに人に聞けるかどうかの違いといえるでしょう。
配送サービス
両社とも商品の保管〜配送を代行するフルフィルメントサービスを用意しています。楽天の配送サービス(RSL)と、Amazonの配送サービス(FBA)の違いも押さえておきましょう。
RSL | FBA | |
60サイズ配送料(自モール) | 499円 | 434円 |
60サイズ配送料(他モール) | 499円(追加料金なし) | 550円お急ぎ便は660円 |
最大サイズ | 160サイズ | 260サイズ |
保管料 | 20cm*20cm*20cmの場合2円/日 | 20cm*20cm*20cmの場合 【1~9月】1.5円/日 【10~12月】2.7円/日 |
配送お届け日 | 当日15:30までの出荷指示で翌日お届け | 注文確定日から3日以内に商品をお届け |
配送業者 | 日本郵便 | 複数OK |
返品やクレームの顧客対応 | 自店で対応 | Amazonが対応 |
RSLの方が後発のためFBAよりも融通が効きやすい面がありますが、FBAを利用するとカート獲得率が上がり、それぞれ長所があります。
RSLの特徴やFBAとの比較については、以下の記事でも詳しく解説しているので、参考にしてください。
楽天とAmazonには向き不向きがある
店舗やブランドの独自性重視なら楽天
楽天市場には、「他店と違う売り出し方ができる」という利点があります。
商品ページも一から作れるうえ、カスタマイズも自由度が高く、独自性を出せます。
独自性を打ち出せると、自店やブランドの固定ファンを増やすことができるため、リピート購入にも繋がりやすいです。
ただし、カスタマイズにはWEBデザインの知識と技術が必要なため、出品のハードルが高く、スピード感を持って展開していきたい店舗には向いていません。
時間をかけて他社との違いを創出し、ブランディングをしっかり行いたい店舗は楽天市場が向いています。
手軽さやスピード感重視ならAmazon
Amazonは、知識や技術も必要なく手軽に出品できます。
商品ページの作成に手間や時間を取られないため、新規出店~出品の店舗立ち上げがスムーズです。
その分、楽天のように独自性を産み出すのは向いておらず、他店との違いを出す手段が限られてしまい、価格競争に陥りやすい点があります。
一方で、出店がとてもスムーズで審査も早いため、ネットショップ初心者やまずは経験や実績を積み上げたい人に向いています。
特に安い価格で多く販売するような店舗や、スピード感を持って運営したい店舗と相性が良いでしょう。
楽天やAmazonの違いを活かした店舗運営のご相談ならWacworksへ
WacworksはECモール運用のスペシャリストです。
100店舗以上の支援実績と経験で、ネットショップの販売戦略や運営、成長を強力にバックアップします。
楽天市場とAmazon、それぞれの違いを活用した効率的な店舗運営はもちろん、ブランディングやショップごとの戦略など、プロの視点で最善策を提供します。
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まとめ
楽天市場とAmazonは正反対な部分も多いため、どちらのECモールで出店するかは「店舗の方針ややりたいことに合っているか」で選びましょう。
もちろん、両方のECモールへ出店して、それぞれの特徴をうまく活用してより多くの売上をあげることも可能です。
ただ、楽天の出店審査は厳しく、敷居が高いので、もし未経験でこれからネットショップを運営していくならAmazonから始めてみることをおすすめします。
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- Amazonと楽天市場の売上を伸ばしたい
- Amazonと楽天のSEO対策を強化したい
- Amazonと楽天別に戦い方を知りたい
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