株式会社Wacworks 代表取締役社長 舟瀬 
ネットショップを運営していると、商品の在庫管理や発送に時間を取られて、他のことに手が回らなくなりがちですよね。
RSL（楽天スーパーロジスティクス）は、発送業務を外注できるサービスです。
うまく利用すれば、発送業務が手から離れ、ネットショップ運営に重要なコア業務に時間を割けるようになります。
この記事では、RSLの概要やメリット、費用、注意点などを解説します。
発送業務の改善を検討している方は、ぜひ読んでみてください。
Wacworksは過去50社以上のEC店舗をサポートした実績を持つなどEC業界に特化したグロースハッカーが集まる集団です。
サイトごとに最適なモールの構築やツール導入の提案はもちろん、販売戦略やマーケティングの支援も行います。
豊富な経験から成功した施策のみをご提供し事業をグロースさせられることが強みです。
目次
RSL配送とは？
RSL配送は在庫保管～配送を楽天が代行するサービス
RSL（楽天スーパーロジスティクス）とは、楽天が商品の保管〜配送を代行するフルフィルメントサービスです。
楽天市場の出店者が使えるサービスで、RSLの倉庫へ商品の在庫を預けておくと、自店の商品が売れた際に、楽天が自動で倉庫の商品をピッキング・梱包し、配送してくれます。
RSLを利用できれば、在庫の管理や発送の業務から解放されます。
分析や販売促進・商品開発など店舗運営の重要な業務に専念できるようになるので、少人数でも大規模な運営も可能です。
配送業者は日本郵便
RSLの配送業者は日本郵便です。
配送業者を限定することで、業者ごとの配送スピードやクオリティのムラをなくし、配送によるクレームを回避しています。
配送スピードはネットショップの顧客満足度に影響を与える要素のひとつ。高いクオリティを保てれば高評価のレビューやリピート購入にも繋がります。
RSLでは、一定の配送クオリティを保証できるよう、配送業者を日本郵便に絞っているのです。
RSLとFBAの違い
Amazonにも、楽天のRSLのようなフルフィルメントサービス「FBA」があります。
RSLとFBAとの大きな違いは以下の通りです。
| RSL | FBA | |
| 他モールの配送 | 追加料金なし | 追加料金あり |
| 配送お届け日 | 当日15:30までの出荷指示で翌日お届け | 注文確定日から3日以内に商品をお届け |
| 梱包資材 | ロゴなしOK | ロゴなしは申請が必要 |
| 配送業者 | 日本郵便 | 複数 |
| 返品やクレームの顧客対応 | 出品者が対応 | Amazonが対応 |
RSLの方が後発のため、FBAよりも融通が効きやすい面が見られます。
FBAについては、以下の記事でも詳しく解説しているので、参考にしてください。
ecgrowthlabo.comRSL配送を利用するメリット
専任担当者のサポートを受けられる
RSLを利用すると、楽天の専任担当者によるサポートを受けられます。
問題や不明点が出てきても担当者へ直接相談できるので、Q&Aやフォーラムで検索して答えを探す手間から解放されるのが大きなメリットです。
セールやイベント・土日祝でもあす楽対応可能
RSLでは、セールやイベント・土日祝日で発送が増えても、当日15:30までの出荷指示で翌日お届けが可能です。
お盆や年末年始などの人員が確保しにくい時でも、滞りなく発送されます。
どんな場合でも翌日配送が可能になるので、急ぎで購入したい層にもアピールできます。
チラシ・販促物の同梱やギフトラッピングもOK
RSLでは、購入された商品にチラシや販促物を同梱できたり、ギフトラッピングに対応できたりと、梱包時のオプションサービスも用意されています。
リピーターを増やす販促や、ギフト商戦にもしっかり対応できるので、梱包時の制限で戦略の幅を狭めるような心配もありません。
コンテナごと納品できる
RSLのオプションサービスには、商品をコンテナごとに倉庫へ納品できるものもあります。
大量の商品をコンテナごと入庫できれば、海外から大量納品や、シーズン限定商品をまとめて納品することも可能です。
ひとつひとつ運び込む一般的な入庫作業より、時間も人手もかからないので、コストが削減にも繋がります。
不着返品対応もしてくれる
配送した商品のお届け先が不在だと、商品は返品になります。不在で返品された場合も、RSLの方で荷受け対応してくれます。
返品があると、再配送の手配や返品商品を在庫へ戻す作業などの対応に、手を止められがちです。RSLならそういった対応にいちいちリソースを割かれずに済みます。
他モールへの発送も追加料金なし
RSLでは、Amazonやyahoo!ショッピングなど楽天市場以外のECモールの商品も、追加料金なしで発送できます。
複数のECモールを平行して運用しているのであれば、RSLに配送を全て集約するのもおすすめです。
発送業務にかかるリソースがカットできる
RSLを利用する最大のメリットは、発送業務に割かれていたリソースを他に回せるようになることです。
店舗の運営に重要な業務だけに集中できるようになれば、これまで行き届かなかった部分へのテコ入れや見直し・改善に時間を使えるようになります。
後回しにしていた部分をひとつずつクリアしていくことで、競合との差を積み上げられるようになるので、ビジネスは着実に成長していくでしょう。
楽天市場の店舗運営者が優先して取り組むべき内容については、以下の記事でも詳しく解説しているので、参考にしてください。
RSL配送の利用にかかる費用
出荷作業・配送費
RSLの配送では、ピッキング・梱包などの発送作業・梱包費・配送料の費用がかかります。
配送コストは商品の計上や資材の量などによって変わってきますが、60～100サイズの場合は以下の通りです。（2024年4月時点）
- 出荷作業量：80円
- 資材料：39円
- 配送料：380円
商品の配送料とは別に、RSLの倉庫に商品や同梱用のチラシなどを納品する際にも別途送料がかかります。見落としがちなので、覚えておきましょう。
自社トラックでRSL倉庫へ直接納品することは可能です。一方で、持ち込めない場合は、商品や同梱物の納品先をRSLに指定するといった送料をなるべくかけない工夫も必要です。
商品在庫の保管料金
RSLの利用には、配送の費用とは別に在庫保管料がかかります。
保管料金は、
①RSLに保管する商品1つあたりのスペース料（月額料）
②保管期間（日割り計算）
で算出します。
①②それぞれの計算式は以下のとおりです。
①7.5円 × 商品の体積㎤ ÷ 1000
②保管日数 ÷ 30
①で算出した額に②を掛けると、日割りの保管料金を算出できます。
① × ② = 商品の保管料（日割り）
【例）「20cm × 20cm × 20cm」の60サイズの商品を45日保管した場合】
①7.5円 × (20cm × 20cm × 20cm) ÷ 1000 = 60円(1個あたりの月額)
②保管日数(45日) ÷ 30 = 1.5(月)
① × ② = 90円
1ヶ月間の保管料は 1個60円 、45日間保管すると 1個90円 の保管料がかかります。
このように、保管する期間が長いほど保管料がかさみ、商品数の数だけ発生するのが保管料の仕組みです。
特に大きなサイズは保管料金・配送料とも高くなるため、しっかり試算した上でRSLで配送するか自社で配送するか決めましょう。
特に大きなサイズは保管料金・配送料とも高くなるため、しっかり試算した上でRSLで配送するか自社で配送するか決めましょう。
楽天の配送料の方針については、以下の記事でも詳しく解説しているので、参考にしてください。
RSLを利用する際の注意点
取り扱えない商品がある
RSLでは、以下のように取り扱えない商品が指定されています。
- 危険物
- 生もの（常温保管が不可なもの）
- 冷蔵・冷凍食品
- 販売価格が30万円を超える高額商品
- 医薬品
- 高度医療機器・管理医療機器
- 組み立てが必要な商品
- 梱包ができない異形・長尺商品
- 梱包されていない裸商品
- 160サイズを超える商品
- 25kgを超える商品
これ以外にも、配送業者が約款上で扱えないとしている商品もあるため、FBAでは保管できたものでもRSLでは断られる場合もあります。
RSLを活用する際は、預けたい商品がRSL倉庫で保管できるかどうか事前に調べておきましょう。
空調設備がない
RSLの倉庫には空調設備がなく、最大35℃から最低0℃・湿度調節なしの環境で保管となります。
保管中にかびや虫害、鼠害などが発生しても保証されないので、温度によって品質が劣化するものや、変色・変形するものはRSLで保管しないほうがよいでしょう。
特に、RSLに向かない商品は、以下にまとめました。
- チョコレートやあめなどの溶けやすいもの
- 温度によって品質が変化しやすい調味料
- 熱や冷えに弱い精密機器
- 湿度の変化に弱い天然素材の繊維類・衣類
「保存が難しく、劣化しやすい商品を出品していないか」を再度確認してみましょう。
受注管理システムの導入が必要
RSLを利用するには、受注管理システムの導入が必要です。
AmazonのFBAマルチチャネルは使えないので注意しましょう。
楽天市場に出品している商品だけをRSLに納品するのであれば、費用が0円で使える「BOSS」というシステムがおすすめです。
また、楽天市場以外に複数のECモールへ出品しているのであれば、複数モールの在庫をまとめて管理できるシステムを使うのも良いでしょう。
複数モール運営者は在庫管理システムの導入もおすすめ
楽天市場以外にも複数のECモールで出店しているのなら、RSLへ在庫を集約して、複数モールの在庫管理を一括でできるシステムの導入も検討してみましょう。
出荷依頼や在庫の一括チェック、補充した在庫の各モールへの振り分けなどができる「ネクストエンジン」などのEC一元管理システムが便利です。
送り状発行システムとの連携機能なども活用でき、出荷依頼などの業務も簡単に自動化できるので、複数モールの発送業務にリソースをとられている業者におすすめです。
ネクストエンジンは、在庫管理にリソースを使い切れていない事業者さま向けの管理ツールです。
自社の運営方法に合うか確認し、本導入を検討することをおすすめします。
まずは、お試しで使える【無料体験】から始めてみましょう。
RSL配送についてお悩みの方はWacworksにご相談ください
Wacworksは、100店舗以上の支援実績があるECモール支援特化型コンサルティングを得意としています。
RSL配送を活用してビジネスを拡大する方法や、在庫管理の最適化など、運用に関する有効手段も提供可能です。
もちろん、SEO対策や広告運用・分析・戦略立案など、お客様のビジネス拡大・収益改善を徹底的にサポートします。
ネットショップの運用や改善・成長に関するご相談があれば、Wacworksにお問い合わせください！
まとめ
RSLを活用すれば、配送業務にとられていたリソースをコア業務に回せます。
重要なことに時間をじっくり使えれば、その分他の店舗よりも多くの改善を積み重ね、競合との差別化も実現できるでしょう。
また、複数のECモールを運営している企業が使いやすいサービスが充実しているので、複数モールの在庫をRSLに集約することも可能です。
少ない人数でも、大規模な運営や効率化ができるようになりますので、是非検討してみてください。
