Amazonの自己発送(Merchant Fulfilled Network、MFN)は、出品者自身が商品の保管と発送を担当するシステムです。FBAではなく、自己発送を選択する場合、商品の重さやサイズ、発送先などに基づいて送料を設定する必要があります。
最終的な送料の設定は出品者の裁量に委ねられているため、競争力を持たせるためには適切な料金設定が欠かせません。
この記事では、Amazonの自己発送の送料や配送条件について解説していきます。出品者としてお客様満足度を上げ、売上アップを目指したい方は参考にしてください。
目次
出品者が発送を行う場合の配送料と配送条件について
出品者が発送を行う場合の配送料と配送条件は、取引のスムーズな進行と双方の信頼を築くために明確にする必要があります。
配送料は商品のサイズ、重さ、発送地域によって異なるため、予め計算し、正確に表示することが大切です。配送条件には、以下の項目を具体的に記載すると、購入者が安心して取引を進められるでしょう。
- 発送までの期間
- 使用する配送方法
- 追跡番号の有無
不明点や問題が生じた際の連絡方法や対応方針も明示しておくことで、トラブルを予防する助けとなります。ここからは、Amazonの配送料と配送条件を確認する方法について解説していきます。
Amazonマーケットプレイスで販売するときの配送料
Amazonマーケットプレイスに出品する際、自ら商品の発送を担当する「自己発送」オプションを選ぶ出品者は、配送料の設定に注意が必要です。
商品の重さとサイズを正確に計測し、それを基に送料を決定することが基本となります。また、発送する地域によっても料金が変わるため、国内の都市部や地方、さらには海外への発送といった要素を考慮する必要があります。
使用する配送方法を選択する点も重要です。例えば、宅配便やゆうパック、速達などのサービスごとに料金が異なるため、顧客にとってわかりやすく、経済的な方法を選ぶことが求められます。
Amazonが提供する推奨の送料表を参考にし、他の出品者との競争を意識して、適切な料金設定を心がけることが、成功の鍵となります。
購入者がマーケットプレイスでの配送条件と配送料を確認する方法
購入者が配送条件や配送料を確認する方法はシンプルです。
購入を考えている商品の詳細ページにアクセスします。ここには商品の基本情報の他に、出品者の名前が明記されており、配送の詳細は「配送料 & 配送方法」というセクションに掲載されています。
セクションをクリックすれば、配送料金、予定される到着日、およびその他の配送に関する詳細を閲覧することができます。
最終的な配送料はショッピングカートに商品を追加し、購入手続き画面で表示されます。この段階で、配送料や到着日の最終確認をしてください。
Amazon自己発送の商品の配送条件や料金を確認することで、予期しない費用やトラブルを避けられるでしょう。
Amazon自己発送の配送料一覧
Amazonマーケットプレイスにおいて、自己発送を選択する出品者は主に小口出品者と大口出品者(プロマーチャント)に分かれます。これらは、配送料の設定にも影響を及ぼす要素となります。
大口出品者(プロマーチャント )の配送料一覧
大口出品プランは、月額4,900円の固定費を支払うことで、多数の商品を出品することができるプランです。
大口出品者は、一部の商品種別を除き、配送料を自由に設定できます。これにより、競争力を持った料金設定や、独自のプロモーションを考慮した送料の設定が可能です。
一方で、一部の地域や商品種別によって、以下のように手数料が定められているため注意が必要です。
本 | ミュージック | ビデオ | DVD | |
日本国内 | 262円 | 356円 | 398円 | 356円 |
国外(地域1:アジア/グアム/マーシャル諸島/ミッドウェイ/その他) | 823円 | 617円 | 823円 | 617円 |
国外(地域2:北米/中米/オセアニア/ヨーロッパ) | 1,234円 | 823円 | 1,234円 | 823円 |
国外(地域3:アフリカ/南米) | 1,440円 | 926円 | 1,440円 | 926円 |
Amazonの送料表を参照しながら、顧客のニーズや市場の動向を考慮して適切な送料を設定することが、販売戦略の一部として非常に重要です。
小口出品者の配送料一覧
小口出品のプランは、主に個人や小規模ビジネスが選択するプランです。小口出品者は、出品する商品ごとに手数料を支払う形になり、Amazonが提示する配送料を設定する必要があります。
上記でお伝えした大口出品プランの配送料に加えて、小口出品プランは以下の項目において配送料が別途かかります。
- 本:262円
- CD、レコード:356円
- ビデオ:398円
- DVD:356円
- TVゲーム:356円
- PCソフト&コンピューターゲーム:356円
- おもちゃ&ホビー:524円
- ドラッグストア:524円
- ベビー&マタニティ:524円
- その他のカテゴリー:472円+53円(1kgあたり)
小口出品プランでは、配送料が追加されることを加味し、商品の値段設定を行うことが大切です。配送料を自由に設定したい場合は、大口出品プランへの変更をおすすめします。
Amazon自己発送のやり方
Amazon自己発送、別名「Merchant Fulfilled Network(MFN)」は、出品者が直接顧客に商品を発送する方法です。Fulfillment by Amazon(FBA)とは異なり、在庫管理や発送、顧客サポートは全て出品者の責任となります。以下に、Amazon自己発送の基本的な手順を説明します。
Amazonセラーセントラルでアカウントを作成・ログイン後、出品方法として「自己発送」を選択します。
商品を出品する際、必要な商品情報(商品名、詳細、価格など)を入力します。
商品のサイズ、重さ、発送先に基づき、適切な配送料を設定します。Amazonは出品者向けに配送料のガイドラインを提供しているので、それを参考にすることが推奨されます。
商品が購入された際、出品者は指定された住所に商品を発送します。発送後は、必要に応じて追跡情報を更新することが求められることもあります。
商品や配送に関する問い合わせやトラブルが発生した場合、出品者は直接顧客サポートを行う必要があります。
自己発送のメリットとしては、商品の在庫や発送プロセスを自分の手でコントロールできる点が挙げられます。その反面、全ての業務を自身で管理する必要があるため、効率的なシステムや対応が求められます。
Amazon自己発送の配送料設定について
Amazon自己発送における配送料設定は、出品者が自身で商品を顧客に発送する際の送料をカスタマイズする重要な工程です。送料をカスタマイズし、商品の魅力や競争力を高めていきましょう。
Amazonの配送料は変更できる
Amazonマーケットプレイスの自己発送オプションを使用する場合、出品者は自らの裁量で配送料を設定し、必要に応じて変更できます。
例えば、速達や宅配便などの異なる配送方法に対して異なる料金を設定したり、地域ごとの料金差を設けたりできます。ただし、配送料は購入の決定要因となるため、適切な価格設定が不可欠です。
設定した料金と実際の発送コストとの間に大きな差があると、利益が損なわれる可能性があるため、注意が必要です。
配送料設定の方法
Amazonマーケットプレイスでの自己発送オプションを活用する際、配送料の設定は出品者の裁量に任されています。
- セラーセントラルの「配送設定」を選択する
- 既存の送料テンプレートを編集するか、新しいテンプレートを作成する
- 商品のサイズ、重さ、配送先の地域などに基づいて配送料をカスタマイズする
- 変更内容を保存する
新しい送料テンプレートを作成することができるほか、既存のテンプレートを編集して配送料を調整することも可能です。新しいテンプレートを作成する際、商品の重さやサイズ、そして配送先の地域に基づいて料金を定められます。
国内外の違いや都市部と地方での料金差など、細かく設定を行うことが可能で、使用する配送サービスに応じた料金設定も行えます。
購入者に商品ページやカート内で表示されるため、わかりやすい価格設定が求められます。設定を終えたら、変更内容を保存することで、配送料の更新が完了します。
Amazonの自己発送で利用できる配送業者
ここからは、配送業者別の特徴を紹介します。適切な配送料を選択することが、顧客満足度の向上やリピート購入の促進に繋がることを理解しておくことが重要です。
佐川急便
佐川急便は日本国内での大手宅配業者の一つとして、多くの出品者から信頼を集めています。佐川急便を使用するAmazon自己発送のメリットは、迅速な配送と配送状況の追跡の容易といえます。
佐川急便は広範なネットワークを持つため、多くの地域へのスピーディな配送が可能です。また、佐川急便のオンライン追跡システムを用いれば、出品者も購入者も商品の現在地をリアルタイムで確認できます。
しかしながら、佐川急便の料金体系や取り扱い範囲を理解し、適切にコストを計算することが重要です。
料金は、商品の重量やサイズ、配送先の地域によって異なる場合があるため、出品者は確認し、適正な配送料をAmazonの商品ページに反映させる必要があります。
Amazonの自己発送において佐川急便を利用することは、迅速かつ信頼性の高い配送を実現する上で効果的な選択といえます。
ヤマト運輸
ヤマト運輸を選ぶ最大の利点は、その緻密な配送ネットワークとサービスの質です。
日本全国への配送が迅速に行われ、特に「宅急便」サービスは、商品の安全性や到着予定時刻の正確さで高い評価を受けています。
また、ヤマト運輸のオンライン追跡サービスを利用することで、出品者と購入者双方が配送状況の確認ができるため、トラブルのリスクを大幅に低減できます。
しかし、ヤマト運輸の料金は、重量やサイズ、配送先によって変動します。
そのため、Amazonでの商品リスティング時には、適切な配送料を設定することが重要です。
Amazon自己発送においてヤマト運輸を利用することは、その信頼性とサービス品質から、多くの出品者にとって魅力的な選択肢となっています。
日本郵便
日本郵便のネットワークは全国どこでも網羅しており、都市部から地方、離島まで、広範囲にわたる配送が可能です。
特に地域によっては他の宅配業者がカバーしきれない地域もある中、日本郵便なら確実に届けることができるという安心感から選ばれることが多いです。
また、ゆうパックやゆうメールなど、商品のサイズや重さに合わせて様々な配送オプションを選べるのも大きなメリットでしょう。小さな商品や軽量な商品を送る場合、コストパフォーマンスが良いと評価されています。
日本郵便を利用する場合でも、配送料の設定や、発送までの日数、追跡サービスの有無など、情報提供が求められます。Amazon上でのリスティング時にこれらの情報を明確にすることで、購入者の不安を減少させ、良好な取引を期待できます。
Amazonの自己発送において日本郵便を利用することは、その全国ネットワークと多様な配送オプションから、多くの出品者にとって有益な選択となっています。
Amazon自己発送のメリット
Amazonの自己発送の最大のメリットは、出品者が配送プロセスを完全にコントロールできる点にあります。これにより、発送コストの節約や、商品の独自の包装・発送方法の適用が可能となります。また、出品者は直接顧客とコミュニケーションを取ることができるため、顧客の要望に柔軟に応えることも可能です。
自身の物流や倉庫を持つ出品者にとっては、在庫をリアルタイムで調整しやすく、短期間での商品の入れ替えやプロモーションもスムーズに行えます。
メリットを最大限に活かすためには、出品者自身が発送プロセスを適切に管理し、顧客への迅速な対応を心がける必要があります。
Amazonに支払う手数料が少ない
Amazonに支払う手数料の面でのメリットが生まれます。
Amazonでの販売には、大きく分けて「フルフィルメントバイアマゾン」(FBA)と「自己発送」の2つの方法があります。FBAを利用する場合、利用料を支払うことでAmazonの倉庫に商品を保管でき、発送を任せられます。
一方で、「自己発送」を選択すると、出品者自身が商品の在庫管理や発送を担当します。この方法の最大のメリットは、FBAのような追加の料金や保管費用が発生しないため、総合的にAmazonに支払う手数料を節約できる点です。
しかし、自己発送にはその分、出品者側での手間やコストが発生します。商品の梱包、発送作業、顧客対応など、全てを自身で管理する必要があります。
そのため、利益率を最大化するためには、適切な配送料の設定や効率的な物流管理が求められます。
自己発送の利用でAmazonに支払う手数料を削減できるメリットがありますが、出品者の負担も増えるため、ビジネスモデルやリソースに合わせて適切な選択を行いましょう。
小型の商品は利益が大きい
小型商品は、そのサイズと重量の特性上、発送コストが低くなります。大型商品に比べ、送料が抑えられるため、その分のコストを価格に反映させることでマージンを上げることが可能です。
また、小型商品は保管スペースを少なくとるため、在庫管理が容易です。大量の在庫をコンパクトに保管できるため、倉庫のコスト削減や在庫ロスのリスク軽減にも繋がります。
梱包面でも、小型商品は梱包作業がスムーズで、包装材のコストも削減できます。
このため、迅速に発送することができ、顧客満足度の向上にも繋がります。
一方で、小型商品は競合が多く、価格競争が激しい傾向があります。単に小型であるという利点だけではなく、商品の差別化や付加価値の提供が求められます。
仕入れて即座に販売が可能
自己発送を選択するメリットの一つとして「仕入れて即座に販売が可能」という点が挙げられます。
通常、Amazonの「フルフィルメントバイアマゾン」(FBA)を利用する場合、仕入れた商品をまずAmazonの倉庫に送り、その後で販売が開始されます。そのため、即時に商品の販売を開始することが難しいことが多いです。
一方、自己発送を選択した場合、商品を仕入れた直後から自身の在庫として管理し、Amazonマーケットプレイス上で即座に販売を開始できるでしょう。これにより、市場の動きに迅速に対応することができ、新しいトレンドや季節の商品などのタイムリーな販売戦略を立てやすくなります。
自己発送には商品の在庫管理や発送作業、顧客対応など、全てを自身で行う必要があるため、これらの業務の効率化が求められます。
マーケットの変動に素早く対応する能力は、競争力の向上に繋がる大きな利点となるでしょう。
Amazon自己発送のデメリット
ここからは、Amazonの自己発送のデメリットを紹介します。自己発送のデメリットを理解し、FBAと自己発送のどちらの手段を使うか選択する材料にしてください。
配送の効率やスピード、手間が出品者負担となる
Amazon自己発送の最大のデメリットは、Amazonが提供する「フルフィルメント by Amazon(FBA)」と比較して、配送の効率やスピード、手間が出品者にかかる点です。
FBAを利用すると、Amazonの物流ネットワークを通じて迅速に配送できますが、自己発送の場合は出品者は発送業者の手配や在庫管理を自分で行う必要があります。
このため、特に大量の注文やピーク時には対応が難しくなる可能性が高まります。
また、FBAを利用する商品はAmazonプライムの対象となることが多いため、プライム会員の購買意欲を引きつける点でもFBAが有利です。
商品が売れにくくなる可能性がある
商品が売れにくくなる可能性があります。なぜなら、Amazon自己発送では、販売者が商品の価格に送料を含めることができず、配送料を別途として設定する必要があるからです。
顧客は送料を考慮しながら購買意欲を判断し、商品を選ぶことが多いです。そのため、送料が高い販売者の商品は他の販売者の商品に比べて選ばれにくくなります。
送料無料の商品に比べて価格が高くなるため、顧客のニーズに合わせた競争力のある価格設定が難しくなります。
Amazon自己発送では、配送期間も影響を及ぼす可能性があります。Amazonは大量の商品を扱っており、在庫管理や発送手続きに時間を要することがあります。
そのため、販売者の商品がAmazonの倉庫に保管されるまでに時間がかかり、顧客への配送が遅れることがあります。配送期間が遅延すると、顧客の満足度が低下し、購買意欲が低下する可能性があります。
Amazon自己発送のデメリットとして、商品が売れにくくなることや配送期間の遅延が挙げられます。
自宅での保管スペースが必要になる
Amazon自己発送では、商品の在庫を自宅に保管し、必要に応じて発送することになります。
自宅のスペースが限られている場合、商品の保管が困難になり、迅速な発送が行えなくなる可能性があります。
自宅での保管スペースがない場合は、別途倉庫や物流センターを利用する必要があり、費用や手間がかかることも考慮しなければなりません。
注文ごとに発送するので手間がかかる
注文ごとに配送するために手間がかかる点が挙げられます。通常、Amazonの自己発送では、注文が入るとそれぞれの商品を準備し、発送する必要があります。
そのため、多数の商品を取り扱っている場合や、注文が急増した場合には、商品の準備や発送作業に時間と手間がかかることがあります。
スムーズな注文処理を行うには労力と時間が必要となり、手間がかかるというデメリットが生じます。
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Amazon自己発送送料のまとめ
Amazonマーケットプレイスは、出品者が商品を販売する際に、発送方法として「フルフィルメントバイアマゾン」(FBA)と「自己発送」の2つの選択肢を提供しています。今回は、「自己発送」に関連する送料の点に焦点を当て、その特徴と注意点をまとめます。
メリット | ・手数料の節約:FBAに比べ、Amazonに支払う手数料が少なくなる場合が多い。 ・在庫の即時管理:商品の在庫状況や発送スピードを直接コントロールできる。 ・商品の差別化;独自の梱包や追加のサービス提供が可能。 |
デメリット | ・手間:注文ごとの梱包や発送が必要。 ・Amazon Prime非対応:Primeの特典(例: 無料・迅速配送)を利用することができない。 ・販売の難易度:自己発送商品は、場合によってはAmazonの検索結果で不利になることも。 |
Amazon自己発送は、手数料の節約や在庫管理の柔軟性などのメリットがありますが、同時に適切な送料の設や高いサービス品質の維持が求められます。
出品者は、自身の商品やビジネスモデルに合わせて、最適な発送方法を選択することが重要です。