amazonEC管理者の多くは、「EC運用を効率化したい!」と考えていることでしょう。そして効率的なEC運用に役立つ、1つの指標がamazonが公表しているランキングです。
この記事ではamazonランキングの仕組みや見方、売上アップを実現する施策を紹介していきます。amazonのランキングの概要を正しく理解することが、効率よく活用するための第一歩です。
目次
amazonが提供するランキングシステムとは?
まずは、amazonが提供しているランキングシステムの概要を紹介していきます。ランキングにもいくつかの種類があり、当然のことながら一部の数値を反映した結果が表示されています。
amazonのランキングにはいくつかの種類がある
運用者が商品のニーズ調査に用いるランキングですが、次の5つの種類があり、反映されるデータや更新時間が異なります。
- 売れ筋ランキング:商品の販売データを1時間ごとに更新
- 急上昇ワードランキング:検索されるワードを1日ごとに更新
- 新着ランキング:新承認や予約商品などのデータを1時間ごとに更新
- ほしい物ランキング:ほしい物リストに追加された商品データを1日ごとに更新
- ギフトランキング:ギフト設定利用された商品の注文データを1日ごとに更新
まずはランキングごとに、異なるデータが反映されていることを理解しましょう。複数のランキングがあることを理解することで、自社の商品ページで手を加えるべき事項を明確にできます。
amazonランキングが集計している数値とは
amazonが提供しているランキングは、「amazon内での取引実績」と「商品の最新販売数と累計販売数」を反映したものです。アルゴリズムの解析が一般化した昨今ですが、公開されている情報はここまでです。
売上をあげるための施策について後述しますが、「ランキング上位のアイテムを仕入れれば良い」わけではありません。タイミングや価格によって変動するため、売上をあげるためには分析と対策が必要不可欠です。
amazonランキングの調べ方を解説
次にamazonランキングの実際の調べ方を解説していきます。amazonのランキングデータの確認方法は、100位以上の商品を取り扱う場合と100位以下の商品を取り扱う場合で異なります。
今取り扱っているアイテムのランキングを調べる、仕入れるべきアイテムを調べるなど、目的に合わせた使い分けを実践していきましょう。
100位以上の商品を調べる方法
100位以上の商品を調べる方法はシンプルで、amazonに接続することさえできれば簡単に確認できます。手順としては、amazonトップの検索バーの下にある「ランキング」メニューをクリックするだけです。
次にカテゴリーごとのランキングが表示されるため、取り扱っている商品が含まれるカテゴリーを選択しましょう。また、各商品詳細ページにある「商品の情報」から「登録情報」に遷移することで、商品ごとの売れ筋ランキングをチェックすることも可能です。
100位以下の商品を調べる方法
また、100位以下の商品をチェックする場合は、amazonセラーセントラルへのアクセスが必要です。セラーセントラルへのアクセス以降の手順は次の通りです。
- セラーセントラルのトップ画面で「出品大学」と検索
- 「Amazon出品大学」のリンクが表示されるため選択
- 出品大学のページの左に表示される「レポートとデータを活用しよう」をクリック
- 「レポートとデータを活用しよう」をクリック後、ドロップダウンメニューが表示されるため、メニュー一覧から「週ごとの推奨商品」を選択
- 「週ごとの推奨商品」の遷移するため、チェックしたいカテゴリーを選択し、ダウンロードを実行する
amazonランキングを活用して売上をアップさせる5つのステップ
ここからはamazonランキングを使い、売上アップを実現する施策を紹介していきます。ランキングの見方だけでなく、ツールを活用した分析なども、amazonランキングを上手に活用する大きなポイントです。
ステップ1、ランキングの推移に着目する
まずは、対策を考える前に、amazonランキングの推移を確認することから始めていきましょう。
少し極端な例ではありますが、「amazonランキングの順位が10000位=売れていない」と結論づけることはできません。ランキングをチェックする場合は、常に推移をチェックする意識をもつことが重要です。
反対にamazonの順位が50位であっても、ニーズのない商品であると結論づけることもできます。楽天ECの管理者はランキングそのものよりも、順位の推移に重きをおきましょう。そうすることで、取り扱うべきアイテムを選ぶ精度青グッと高められます。
ステップ2、使えるツールをフル活用する
ランキングの推移の確認が終わったら、ツールを使った分析に進みましょう。多種多様なamazonランキングの解析ツールが提供されていますが、おすすめのツールはERESAとkeepaの2つです。
機能の豊富さと、無料で使えるという点が評価されているツールがERESAです。ランキング取得ツールであることはもちろん、ほかのシステムでは有料になっている機能も無料で利用することができます。「30、90、180日間」と調べたい期間を決めることで、何回下降したかを計測してくれるシンプルなツールです。新商品のランキングや発売日を反映することもできるため、正確な仕入れ時期の判断をサポートしてくれます。
googleの拡張ツールであり、Chromeに追加するだけで使えるアイテムがkeepaです。KeepaもERESA同様に、価格推移を反映したグラフやランキング推移の確認に使われるツールです。ERESAが搭載している機能の他に、トラッキング機能を応用した価格通知設定などを搭載しています。ランキング分析だけでなく、業務効率化に一役買ってくれるツールといえるでしょう。
ステップ3、売上アップの方程式を理解する
amazonランキングを上手に活用し、売上アップを実現する3つ目の施策が売上アップの方程式を理解することです。amazonに限ったことではありませんが、EC運営者が理解しておくべき方程式は、売上 =PV×CVR×顧客単価の1つしかありません。
この方程式からECの売上を分析し、課題を明確にすることが正しいamazonランキングデータを活用する方法です。また、言わずもがなでありますが、以下のようにCVRは価格ごとに異なります。
- 2,000円~5,000円・・・4~7%
- 5,000円~10,000円・・・2~4%
- 10,000円~20,000円・・・1~2%
- 20,000円以上・・・1%未満
取り扱っている商品の多くが5,000円以上であるにも関わらず、5%以上のCVRをもとにした計画になっている場合は計画そのものを見なおさなければなりません。
ステップ4、集客に力を入れる
amazonのランキングを売上につなげる4つ目のステップが、集客に力を入れることです。ここまでくればお分かりの方も多いと思いますが、このステップは人目に触れさせる順をする段階です。
amazonECにおいては有効と考えられてる手段は、以下のとおりです。
- 商品ページの精度をあげる:amazonが採用しているアルゴリズムに合わせた商品ページを作成すること。さまざまな項目があるが、写真や商品情報の多い商品ページほど上位表示されやすい
- ポイントを導入する:amazonEC内で利用できる還元ポイントを設定すること。同じ条件の商品であれば、ポイントが付与される・ポイントが高いアイテムが選ばれる
- amazonの広告を活用する:amazonが提供している、有料の広告を活用すること。スポンサープロダクト広告とスポンサーブランド広告、商品ディスプレイ広告の3種類が用意されているため、運営者の方針に合わせたプロモーションをおこなえるます。
ステップ5、コンサルティングや運用代行に相談する
amazonランキングを売上につなげる最後の施策が、コンサルティングや運用代行に相談することです。データを用いた分析をおこなえたとしても、相談することには大きな価値があります。
コンサルティングや運用代行に相談する場合は、以下ような実績のある会社をチョイスすることが大切です。
- Wacworks:Wacworksは、amazon運用のコンサルティングや代行などのサービスを提供。特にコンサルティング部門では、amazon運用を熟知したコンサルタントから、確度の高いアドバイスを受け取れる。運用代行においても、amazon事業全体をサポート。PDCAサイクルの高速化により、短期間で売上につながる体制を構築可能
- ピュアフラット:ピュアフラットは売上拡大に向けたサイト構築から集客支援までの課題を、一貫してクリアにしてくれるWeb特化のコンサルティング企業。サイト構築やSEO施策といった実績があるだけでなく、広告運用に関するアドバイスも可能。また、SNSを用いた施策にも定評があり、幅広い施策実行力が魅力
- トゥルーコンサルティング:トゥルーコンサルティングはamazonへの出店に特化したコンサルティング企業。amazonが実施ているリスティングやプラットフォーム内におけるSEO対策など、コストパフォーマンスの高い提案を受けられる。カテゴリーごとにキーワードを設定することでアクセスを獲得、売上を作るのかを考えたうえでできる点が強み
amazonランキングを参考にする際の3つの注意点
最後に、amazonランキングを用いた分析をする際の注意点を紹介します。
仕入れ時期の判断材料に使えるランキングデータですが、カテゴリーごとにランキングが変動することや、アルゴリズムが公表されていないといった注意点が存在しています。
カテゴリーごとにランキングが変動する
amazonランキングを用いた分析を行う際は、カテゴリーごとに順位が変動することを理解しておきましょう。よりわかりやすく表現すると、「売れにくいカテゴリーや価格帯の商品が、わかりやすく上位にランキングすることはない」ということです。
順位そのものを見るのではなく、カテゴリーごとの大まかな変動基準を把握し、基準点からの変動に着目することが大切です。
アルゴリズムは公表されていない
これまでに触れてきたように、amazonのランキングはさまざまなシーンで活用できる指標の1つです。「売れ筋」や「新着」、「人気」の3段階で、ランキングを多方面から観察することができます。
また、現段階でわかっている新着ランキングのアルゴリズムは下記のとおりです。
- Amazonでの売上に基づいて決まる
- Amazonで販売されている商品の最新販売数と累計販売数を反映して1時間ごとに更新される
このように順位付けに使われている指標を公開しているものの、ごく一部である点には注意が必要です。SEO対策などが一般化した昨今では、ECごとのアルゴリズムを分析することに重きが置かれていますが、深美味しすぎることによるロスが大きいことも事実です
キャンセルになった注文もカウントされる
amazonランキングを参考に取り扱う商品を決める場合は、キャンセルになった注文もカウントされる点に注意しましょう。これまでに紹介してきたように、ランキングは最新販売数と累計販売数をもとにしたデータでしかありません。
そのため、売れ筋ランキングについては、販売後のキャンセル処理を反映できないのです。売れ筋ランキングの一時的に上昇している数値だけを頼りにしたことで、大きなしっぺ返しが来る可能性も少なくはありません。
まとめ
amazonランキングは、ECを運営する多くの管理者が活用する指標の1つです。ランキングを正しく用いることで、仕入れるべき商品やプロモーションをかけるべき時期の選択精度をグッと高めることができます。
ただし、amazonを用いた分析には、一定のコツがあることも理解しておきましょう。ランキングと聞くと、「高ければ高いほど良い」と捉えられがちですが、amazonランキングは例外です。また、カテゴリーそのものが順位に影響を与えることも珍しくありません。
これからランキングによる分析を始める方は、経過の観察を習慣化し、専門家からのアドバイスを参考にすることで、失敗のリスクを最小化できるでしょう。