Amazonスポンサープロダクト広告の始め方|初期設定から改善まで7手順

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Amazonスポンサープロダクト広告の始め方とは、①出稿条件(大口出品・カート獲得)の確認、②目標ACOSの設定、③オートキャンペーンでのデータ収集、④検索用語レポートによるキーワード抽出、⑤マニュアルキャンペーンへの展開、という5段階を、およそ30〜60日かけて順に進める運用プロセスを指します。

スポンサープロダクト広告は「出せばすぐ売れる」広告ではありません。最初の2週間〜1か月はデータを買う期間であり、そこで集めた検索語句を使って絞り込んでいく設計になっています。この順番を飛ばして最初からマニュアルで狙い撃ちしようとすると、キーワードの当たりが分からないまま予算だけが消えます。

この記事では、Wacworksが複数ブランドのAmazon運用を支援してきた経験から、アカウント開設直後の状態から初回の改善サイクルを回すまでを、手順と判断基準つきで整理します。

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スポンサープロダクト広告とは|まず仕組みを押さえる

手順に入る前に、この広告が何に対して課金され、どこに表示されるのかを正確に把握しておく必要があります。ここが曖昧だと、後の数字が読めません。

3種類のAmazon広告のうち最初に手をつけるべきもの

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Amazonの広告は大きく3種類あります。

広告種別 表示場所 目的 開始難易度
スポンサープロダクト(SP) 検索結果内・商品詳細ページ 購入直前の刈り取り 低(最初はこれ)
スポンサーブランド(SB) 検索結果最上部のバナー ブランド認知 中(ブランド登録が必要)
スポンサーディスプレイ(SD) 商品ページ・Amazon外 リターゲティング

最初に着手すべきはスポンサープロダクト一択です。理由は3つあります。

  1. ブランド登録が不要|SB/SDは商標登録に基づくAmazonブランド登録が前提。SPは大口出品なら誰でも出せます
  2. 購買意欲が最も高い面に出る|検索結果に商品として並ぶため、他の2つよりCVRが高くなります
  3. キーワードデータが取れる|検索用語レポートで実際に売れた語句が分かる。このデータはSEO(商品名・検索キーワード欄)の改善にもそのまま使えます

課金はクリック単位・掲載順位は「入札額 × 関連性」で決まる

SPはクリック課金(CPC)で、表示だけでは費用が発生しません。掲載順位はオークション形式で決まりますが、入札額が高い順に並ぶわけではない点が重要です。

Amazonは「その広告が実際にクリック・購入されるか」を含めて評価します。つまり商品ページの完成度が低いと、同じ入札額でも表示されにくく、CPCも高くなります。広告を触る前に商品ページを整えるべき理由がここにあります。

Amazonスポンサープロダクト広告の始め方|7つの手順

手順1. 出稿条件を満たしているか確認する

最初に、そもそも広告を出せる状態かを確認します。次の3つがすべて満たされている必要があります。

  • 大口出品(月額4,900円税抜)であること|小口出品では広告を出せません
  • カート(おすすめ出品)を獲得していること|相乗り商品で他社にカートを取られていると広告が配信されません
  • 広告対象カテゴリーであること|アダルト・中古品・リファービッシュ品などは対象外

特に見落としやすいのがカート獲得です。自社ブランドの単独出品なら問題ありませんが、相乗り状態だと配信が止まります。広告を開始しても表示回数が伸びない場合、まずここを疑ってください。

手順2. 商品ページを先に仕上げる

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広告を出す前に商品ページを完成させます。未完成のページに広告を当てるのは、穴の空いたバケツに水を注ぐのと同じです。

最低限、次の5点は揃えてください。

  1. メイン画像|白背景・商品が画像の85%以上を占める(Amazonの規定)
  2. サブ画像6枚以上|使用シーン・サイズ感・成分や仕様・比較表
  3. 商品名|検索されるキーワードを含める。ブランド名+商品名+特徴+容量の構成
  4. 箇条書き(商品の仕様)5点|ベネフィットを先に、スペックを後に
  5. A+コンテンツ|ブランド登録済みなら必須。CVRが明確に変わります

手順3. 目標ACOSを決める

ACOS(Advertising Cost of Sales)= 広告費 ÷ 広告経由売上 × 100 です。広告費が売上の何%かを示す指標で、低いほど効率が良いことを意味します。

目標値は感覚で決めず、利益構造から逆算します。

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販売価格 3,000円の商品の例
原価 900円(30%)
Amazon手数料 450円(15%)
FBA配送料 500円
─────────────────────
粗利 1,150円(38.3%)

損益分岐ACOS = 38.3%
目標ACOS = 20〜25%(利益を残す水準)
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損益分岐ACOSを超えると広告を出すほど赤字になります。ただし新規商品の立ち上げ期は、レビューと販売実績を買う目的であえて損益分岐を超える設定にする判断もあります。その場合は「いつまで・いくらまで」を先に決めてください。

ACOSやTACOSなど見るべき指標の考え方は、【保存版】Amazonで見るべき指標とは?で体系的に解説しています。指標の定義を誤解したまま運用すると判断を間違えるので、最初に一度通して見ておく価値があります。

手順4. オートキャンペーンで2週間データを集める

いよいよ配信開始です。最初は必ずオート(オートターゲティング)から始めます。

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初期設定の推奨値
キャンペーン名 【商品名】_オート_YYYYMM
1日の予算 1,500〜3,000円
ターゲティング オート
入札戦略 動的な入札(ダウンのみ)
デフォルト入札 30〜50円
期間 最低14日間
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設定のポイントは3つです。

  • 入札戦略は「ダウンのみ」から|「アップとダウン」は成約しにくい枠で入札を引き上げるため、データが揃う前に使うと無駄打ちが増えます
  • 4つのマッチタイプは全部オンのまま|クローズマッチ・ルースマッチ・代替商品・補完商品。どれが効くかは商品によって違うので最初は絞りません
  • 14日間は原則いじらない|数日の数字で判断すると誤った結論になります。クリックが溜まる前に止めるのが最も多い失敗です

手順5. 検索用語レポートでキーワードを抽出する

2週間後、検索用語レポート(Search Term Report)を出します。広告管理画面の「レポート」から取得でき、これが運用の心臓部です。

見るべきは次の3分類です。

分類 条件 アクション
勝ちキーワード 注文が発生/ACOSが目標以下 マニュアルで完全一致に登録
判断保留 クリック10未満で注文0 もう2週間様子を見る
負けキーワード クリック15以上で注文0 除外キーワードに登録

除外設定を怠ると、無関係な検索語句に予算を食われ続けます。特に「無料」「中古」「代用品」「〇〇とは」といった購入意図のない語句は早めに除外してください。

手順6. マニュアルキャンペーンに展開する

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抽出した勝ちキーワードで、マニュアルキャンペーンを作ります。オートは止めずに並走させるのが基本です。オートは新しいキーワードを見つけ続ける役割を担い続けます。

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マニュアルの推奨構成(キャンペーンを分ける)
① 完全一致(Exact) 勝ち確定キーワード 入札 高め
② フレーズ一致 周辺キーワード 入札 中
③ 商品ターゲティング 競合ASIN指定 入札 中
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完全一致は成約が読めるので入札を上げて確実に取り、フレーズ一致で取りこぼしを拾う構造です。キャンペーンを分けておくと予算配分を独立して調整できるので、必ず分けてください。

商品ターゲティングでは競合のASINを直接指定できます。自社より価格が高く・レビュー評価が低い競合を狙うと成果が出やすい傾向があります。

手順7. 週次で入札を調整する

運用開始後は週1回、次の基準で入札を動かします。

  • ACOS が目標の半分以下|入札を20%上げて露出を拡大する
  • ACOS が目標付近|維持する
  • ACOS が目標の1.5倍以上|入札を20%下げる
  • クリック20以上で注文0|停止または除外する

一度に50%以上動かさないのが鉄則です。大きく動かすとAmazon側の学習がリセットされ、それまでの配信最適化が失われます。

予算はいくらから始めるべきか

最も多い質問がこれです。結論としては1日1,500〜3,000円、月4.5〜9万円から始めるのが現実的です。

「クリック数」から逆算する

金額ではなく、判断に必要なクリック数から逆算するのが正確です。

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キーワード1語の良し悪しを判断するのに必要なクリック 約15〜20
テストしたいキーワード数 20語
必要クリック総数 300〜400クリック
想定CPC 50円
─────────────────────────────────────────
必要な初期予算 15,000〜20,000円
“`

これを2週間で消化する設計にすると、1日あたり約1,000〜1,500円となります。日予算が500円だとデータが溜まる前に1か月が終わり、判断できないまま次の月に入ってしまいます。

予算が限られるなら商品を絞る

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予算が少ない場合、複数商品に分散させるのが最も効率が悪い選択です。10商品に1日300円ずつ配るより、1商品に3,000円を集中させたほうが早く結論が出ます。

売上の伸び悩みに対する考え方は、【Amazon】売上に限界を感じたらこの動画を見てくださいでも触れています。広告だけで打開できる範囲と、そうでない範囲の切り分けの参考になります。

初月にやりがちな5つの失敗

Wacworksが運用を引き継ぐ際、開始直後のアカウントでよく見かける失敗を挙げます。

  1. 3日で判断して止める|クリックが50も溜まっていない段階では、統計的に何も言えません。最低14日は回してください
  2. いきなりマニュアルから始める|想像したキーワードと実際に売れる検索語句はズレます。オートで実データを取るのが先です
  3. 除外キーワードを設定しない|これだけで広告費の20〜30%が無駄になっているケースが実際にあります
  4. ACOSだけを見て一喜一憂する|ACOSが低くても売上絶対額が小さければ事業は伸びません。TACOS(広告費÷全体売上)も併せて見てください
  5. 商品ページを整えずに広告を回す|CVRが低いとCPCが上がり、費用対効果が二重に悪化します

広告の外側も同時に動かす

スポンサープロダクトはすでにAmazon内で検索している人にしか当たりません。市場そのものを広げたい場合は、外部流入も併用する必要があります。

X(旧Twitter)広告との組み合わせについてはAmazon × X広告最強説!抜群の相性!で触れています。また競合や市場規模のリサーチにはセラースプライトのようなツールが有効で、入札前にそのキーワードの月間検索ボリュームを把握できると無駄打ちが大きく減ります。

よくある質問

スポンサープロダクト広告は最低いくらから出せますか?

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1日の予算は100円から設定可能で、最低出稿額の縛りはありません。ただし実務上は1日1,500円以上を推奨します。理由は、キーワードの良し悪しを判断するには1語あたり15〜20クリックが必要で、CPC50円換算だと低予算ではデータが溜まる前に月が終わってしまうためです。予算が限られる場合は、金額を下げるのではなく対象商品を1つに絞るほうが早く結論に到達します。

ACOSは何%を目指せばよいですか?

一律の正解はなく、損益分岐ACOS(=粗利率)から逆算します。粗利率38%の商品なら、ACOS 38%が損益分岐点、目標は20〜25%が目安です。ただし新規商品の立ち上げ期はレビューと販売実績の獲得を優先し、あえて損益分岐を超える40〜60%で回す判断もあります。その場合は「3か月間・月10万円まで」のように期限と上限を先に決めることが前提です。

オートとマニュアルはどちらを使うべきですか?

最初の2週間はオートのみ、その後は両方を並走させます。オートは想定外の売れる検索語句を発見する役割、マニュアルは確定した勝ちキーワードを高い入札で確実に取りにいく役割で、目的が異なります。マニュアルに移行した後もオートを止めないでください。検索トレンドは変化するため、新規キーワードの発見装置として回し続ける必要があります。

効果が出るまでどれくらいかかりますか?

データが揃うまで14日、改善サイクルが回り始めるまで30〜60日が目安です。最初の2週間はACOSが100%を超えることも珍しくありませんが、これは異常ではなくデータ収集期間として想定内です。検索用語レポートで除外と絞り込みを行った後、3〜4週目からACOSが下がり始めるのが標準的な推移です。1週間で判断して停止するのが最も多い失敗パターンです。

広告を止めると売上はどうなりますか?

広告経由の売上は即座に消えますが、オーガニック売上は残ります。広告で販売実績が積み上がると自然検索順位も上がるため、運用期間が長いほど広告停止後の落ち込みは小さくなります。判断材料としてTACOS(広告費÷全体売上)を見てください。TACOSが下がり続けていればオーガニックが育っている証拠で、広告依存度が下がっています。逆にTACOSが横ばいのまま売上だけ伸びている場合は、広告を止めた瞬間に売上が大きく落ちます。

まとめ|最初の30日は「データを買う期間」と割り切る

Amazonスポンサープロダクト広告の始め方は、次の順序に集約されます。

  • 0〜7日|出稿条件の確認、商品ページの完成、目標ACOSの算出、オートキャンペーン開始(1日1,500〜3,000円)
  • 8〜14日|設定を変えずに配信を継続してデータを蓄積する
  • 15〜21日|検索用語レポートを取得し、勝ちキーワードの抽出と負けキーワードの除外を実施
  • 22〜30日|マニュアルキャンペーン(完全一致・フレーズ一致・商品ターゲティング)を追加し、オートと並走
  • 31日以降|週次で入札を±20%の範囲で調整し、TACOSの推移を追う

特に重要なのは最初の14日間は設定をいじらないことと、目標ACOSを粗利率から逆算して先に決めておくことの2点です。この2つが守られていれば、初月の数字が悪くても軌道に乗せられます。

逆に、数日ごとに設定を変える運用は最も成果が出ません。Amazonの配信アルゴリズムは学習に時間を要するため、触りすぎることが最大のコストになります。

まずは主力商品を1つ選び、オートキャンペーンを1日1,500円で2週間走らせるところから始めてください。検索用語レポートを開いた瞬間に、想定と実際のズレが数字で見えるはずです。

この記事の参考動画(ECグロースチャンネル)

本記事で解説した内容は、YouTube「ECグロースチャンネル」でさらに具体的な事例・管理画面つきでめっちゃ詳しく公開しています。「文章だけだとイメージしづらい」という方は、ぜひ動画もあわせてご覧ください。

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※この記事はYouTube「ECグロースチャンネル」の動画をもとに、株式会社Wacworksが作成しました。

この記事を書いた人

株式会社Wacworks 代表取締役社長 舟瀬

2021年11月に創業。自社サイト、楽天市場、Yahooショッピング、AmazonなどECサイト・モールに特化したコンサルティング事業を行っています。"売上をグロースさせたことがあるコンサルタント"のみをパートナーとしてアサインし、EC事業者さまの売上・利益を最大化するお手伝いをさせていただきます。