「楽天に出店したけど失敗した」「楽天の出店は儲からない」
このような声を聞いたことはありませんか?
楽天市場は国内最大のショッピングサイトで、日本中のユーザーから商品を購入してもらえます。
一方で出店料や手数料がかかり、出店したものの費用だけ払って、オンライン販売を諦める店舗も多いのも事実です。
そのようなことにならないために、この記事では楽天市場の出店で失敗した原因を解明し、それぞれの対策まで解説します。
これから「楽天市場に出店する方」「楽天市場の成果に伸び悩んでいる方」には、参考になるためぜひ最後までお読みください。
楽天出店の失敗とは?
そもそも「楽天市場への出店に失敗した」と聞くことがありますが、どういった状態を失敗というのでしょうか?
楽天市場に出店するには、大きく以下の費用が発生します。
- 登録料
- 月額出店料
- システム利用料
そのうち、システム利用料は売れた商品に対し数%を後払いしますが、登録料・月額出店料は商品の売れ行きに関係なく、費用を払わなければなりません。
このような料金体系のため、楽天市場出店の失敗をここでは「楽天に支払う費用>成果(利益)」としたいと思います。
費用以上に利益を出すために、これから失敗の原因と対策について話していきます。
楽天出店で失敗する原因と特徴
楽天出店で失敗する企業の特徴を集めていきますと、原因は大きく6つ考えられます。
- ECサイトを作れば勝手に売れると思っている
- 検索表示されない、上位が取れない
- ライバル企業と差別化が出来ていない
- 商品ページがわかりづらい
- ユーザーの分析に取り組んでいない
- 利益率が低い
6つの原因は上から、考え方・検索表示・商品の転換率・利益幅と順に並べていますので、自社に該当する項目がないか確認しましょう。
ECサイトを作れば勝手に売れると思っている
一番多くある失敗例が、実店舗で売れている商品を楽天市場に掲載すれば、勝手に売れると思っているケースです。
実店舗で売れ行きのよい商品を、より多くのユーザーに届けるためにオンライン販売を検討する企業も多いでしょう。
そこで日本で一番使われている楽天市場を使えば、簡単に売れるだろうと考えるのも不思議ではありません。
なぜ売れないのか、原因は大きく2つあります。
1つ目が、楽天市場の特性であるユーザーが検索から購入することが多い点。
2つ目が、同じニーズを満たす商品を扱うショップが多い点です。
それぞれに対策が出来ていなければ、当然ながら他社に勝ち、売上を上げることはできません。
実店舗で上手く商売が出来ていたとしても、ECサイトは大きく戦略が異なる点を理解しておきましょう。
検索表示されない、上位が取れない
楽天市場に商品を登録すれば、勝手にユーザーが見つけてくれると思っていると商品は売れません。
なぜなら、楽天市場のトップページは楽天市場のキャンペーン情報など、お得になる情報で埋められており、商品の紹介はページ中段以降でなければ見れないためです。
そのため、楽天市場を利用する多くのユーザーが、検索窓を利用して商品を探しています。
検索するユーザーが多い以上、検索結果の一覧に表示されなければ、そもそも商品を見てももらえていないのです。
また一覧に表示されても、上位表示が取れなければ、数ある商品の中から選ばれる確率は非常に少ないでしょう。
ライバル企業と差別化ができていない
実店舗では近隣の店舗のみをライバルとして意識しておけばよいですが、オンラインショップは、全国各地の競合店と比較をしなければ成果はあがりません。
同じ商品や検索ユーザーのニーズに合致する商品を取り扱うテナントが多く、その中でも目立つ存在でなければユーザーは商品を買ってくれないでしょう。
その他大勢と何の優劣もなければユーザーは、そのお店から買う理由がないので、選ばれる確率は低くなります。
商品ページがわかりづらい
商品の特徴がわからない、乱雑に並べられた画像、文字だらけの商品ページ、このような商品ページではユーザーは購入するのを渋るでしょう。
人間の脳は情報量が多すぎると、考えるのを止めてしまうからです。
また考えられていない商品ページは、出店者の信頼性も低いと見なされます。
その理由として、オンラインショップは実物が見れない分、商品ページ・店舗ページだけでユーザーは買う判断をしなければならず不安だからです。
商品ページに力を入れていなければ、そもそも信頼されないため、購入するハードルがたかくなります。
ユーザーの分析に取り組んでいない
キャンペーンや商品が売れた時に、購入したユーザーの分析をしない場合も、失敗する傾向にあります。
なんとなく販売している商品が、売れればそれで良いのではありません。
商品には流行り廃りがありますし、商品開発は日々行われています。
自社で売れていた商品が突然売れなくなる。そんなことも起き得ます。
どんなユーザーが自社で商品を購入しているのか、具体的な人物像とニーズを把握し、低迷の原因を見つけていなければ、売上は伸びていきません。
利益率が低い
ライバル企業に勝つため値下げをしている場合や、元々利益率が低い商品を中心に売っている場合は注意しましょう。
特に出品し始めの時は、利益を下げてでも他社より安ければ売れると思い、クーポンやポイントバックなどで値引きをしがちです。
ただ利益率が低いだけなら良いのですが、楽天市場は出店料に加えて、システム手数料は売上の数%を支払う設計のため、最悪赤字になるケースもあります。
また利益が小さければ数を売らなければならず、稼働が逼迫し他の事業に割く労力も無くなります。
薄利多売になると忙しい割に利益にならず、結局出店しても儲からず、最悪徹底することにもなりかねません。
【併せて読みたい記事】
・楽天市場の出店プランの比較・選び方は?注意点も紹介
・楽天市場へ出店する方法!費用や審査不合格時の対策も紹介
楽天出店で失敗を防ぐ方法
楽天市場への出店で失敗しない方法は以下の通りです。
- ECサイトは定期的に更新する
- ライバル企業との自社の違いを明確にする
- 楽天SEO対策をする
- 商品ページのデザインを学び、修正する
- 商品アクセスしたユーザーを分析する
一度対策すれば完結するものではありません。
情報は常にアップデートされていますので、随時方法を見直し改善するようにしましょう。
ECサイトは定期的に更新する
楽天のSEOアルゴリズムは、定期的に見直されています。
アルゴリズムが見直されることは、検索表示のルールが変わるということです。
そのため1度対策をすれば、永久的に対策ができる訳ではありません。
また市場の変化で、ライバル企業の撤退や新規参入もあるでしょう。
そうした時もライバル企業を分析し、状況を把握した上で、ECサイトを作る必要があります。
市場変化に加えて、季節・イベントの対策も必要です。
季節やイベントのキーワードを設定することで、シーズンに合わせたユーザーの需要を予測できる可能性があります。
イベントなどを踏まえると、毎月1度はECサイトを見直す機会を設けて、改善できるところがないかチェックしましょう。
ライバル企業と自社の違いを明確にする
ライバル企業と自社で何も区別するところがなければ、ユーザーの多くは検索順位によって商品を買うでしょう。
しかしライバル企業より、こちらに優れている点があれば、検索順位の差はあれどこちらを選ぶ理由ができます。
そのため、他の企業の商品ページのデザイン、扱う商品の価格、選定したキーワードなどを必ずチェックしましょう。
チェックする上で、ライバル店の強みと弱みを整理することで、自社との差別化ポイントが分かります。
例えば、ライバル企業の商品ページがしばらく変わっていなければ、季節などのキーワードを対策することで、こちらにユーザーが流れてくるかもしれません。
また扱う商品が同じでも、商品画像を載せているだけで魅力が伝わっていないと感じるのであれば、手厚く商品の魅力を紹介するのも良いですね。
ライバル企業の強み・弱みを把握し、こちらの優位性で勝てる部分がないかを分析、比較して対策していきましょう。
検索上位に入る取り組みをする
楽天を利用するほとんどのユーザーは、検索により商品を購入します。
そのため検索結果にまず表示されることが必要です。
検索結果に商品が表示されない場合は、商品登録時のディレクトリID・タグIDが正しく設定できていない可能性があるため、再度見直しましょう。
また、検索結果に表示されても上位に表示されなければ、商品購入される確率は低いでしょう。
理由としては、パソコンから楽天市場の検索結果を見た際、1ページに表示される商品数は楽天の広告を含む50個です。
検索結果が複数ページに及んでいても、ユーザーが商品50個全てを比較するのは、負担が大きくなります。
そのため多くのユーザーは、上位の商品ページのみを複数見比べながら商品を購入します。
上位表示を目指すのであれば、楽天SEO対策に取り組みましょう。
楽天SEO対策とは、検索されるキーワードを推測し、事前にキーワードを商品説明などに用意しておき、上位表示を狙う手法です。
キーワードの設定はライバル企業が何を使っているかまたは、サジェストキーワードなどを使い選びましょう。
SEO対策に関して、詳しくは過去記事を参考にしてください。
【併せて読みたい記事】
【2023年最新】よくわかる楽天SEO対策!アルゴリズムを分析
広告表示をうまく活用する
検索結果の上位4〜5番目は、楽天広告が表示されます。
広告は指定したKWで検索された場合に、広告枠として商品ページを上位表示することが可能です。
商品ページの頭に[PR]の文言はつきますが、検索意図にあった商品であれば問題なく購入に繋がるでしょう。
また広告表示から購入された商品は、楽天SEO対策で必要な売上にもカウントされます。
そのため例え広告を1度しか打っていなくても、広告表示期間中に売上が上がっていれば、広告終了後も検索上位に表示されることも可能です。
商品ページのデザインを学び、修正する
商品ページのわかりやすさは、購入に直結します。
そのため、ユーザーの知りたい情報がちゃんとレイアウトされているかをチェックしましょう。
ECサイトのレイアウトは以下の3つに分けて考えることで整理できます。
- ページ上段:検索ユーザーの興味を引くファーストビュー
- ページ中段:ユーザーの疑問ニーズに解凍していくボディ
- ページ下段:最後にユーザーが買いたいと思わせるクロージング
「興味を引き」「最後まで飽きさせず」「購入してもらう」そんな導線が作れているか、今一度考えてみてください。
特に検索するユーザーからすると、テキストよりも画像を使うことで具体的なイメージを想起することが可能ですので積極的に活用しましょう。
ここで紹介したデザインはあくまで一例です。
デザインにはその他多くのテクニックがありますので、学んだことがない方は一度デザインの本を読むことをおすすめします。
デザインが苦手、HTMLなどの言語はよくわからないとお困りの方は、過去に商品ページの作り方を紹介していますので、そちらで自社にあった作成方法を探してください。
【併せて読みたい記事】
【楽天ECサイトの作り方】誰でも簡単に映えるデザインにする方法
商品アクセスしたユーザーを分析する
商品が売れた時や施策を実行した後は、必ず分析し振り返りましょう。
ユーザーを分析することは、自社のターゲットを把握することに繋がります。
どのような属性のユーザーがどの商品を買ってくれたのか、また興味を持ってくれているのかを知ることは、ユーザーのニーズを考える第一歩です。
ニーズがわかると、より分かりやすい商品ページを作ることも、ユーザーにあった商品を増やすこともできるため売上向上に繋がります。
また特徴を把握することに加えて、商品ページの閲覧数や、購入数など定量の情報も見ることで、どこでユーザーが離脱するのか分かります。
離脱ポイントが分かれば、そこを重点的に改善することで、短期間に成果の上がるページ作成が可能です。
アクセス数を増やす方法は『楽天で売れるために必要なアクセス数と平均は?増やす方法も紹介』もおすすめです。
2度と失敗しない!楽天出店で利益を継続的に上げる3つのコツ
失敗しない対策に加えて継続して利益をあげ続けるためのコツを紹介します。
- 取り扱う商品やページを変化させていく
- 利益率の高い商品をメインに扱う
- メルマガなどでリピーターを増やす
短期的に利益が上がるだけでなく、安定した利益を生み出すことは大切ですよね。
継続してもらうのは、扱う商品の特性や、ショップのブランドとも密接に関わります。
1つずつ詳しく解説していますので、最後まで見てください。
取り扱う商品やページを変化させていく
商品は、時期や流行り関係なく売れる商品と、季節や社会情勢により売れ行きが変わる商品の2つがあります。
継続した利益を出していくためには、時期や流行りに関係ない商品をメインに据えましょう。
ただし継続した需要があるということは、定期的に購入できる値段でないと困るため爆発的に利益をあげることは難しいでしょう。
そこで時期や流行りによって売上が上がる商品も用意しておき、両方を組み合わせて利益を最大化させましょう。
例えば、日用品を扱う小売店なら定期的に売れる商品は洗剤や柔軟剤を置いておきつつ、季節で高まる需要としては花粉症のマスクが典型例です。
またファッションであれば、通年で着れるジーンズをメインにしながら、季節の需要として水着も良いでしょう。
安定した利益に爆発力のある商品を順次組み合わせることで高い利益を出しながら経営することが可能です。
商品ページのデザインは取り扱う商品、強いてはターゲットにより変えることが多いです。
扱う商品やジャンルが増えるのであれば、ターゲットに刺さるデザインに適宜変更することをおすすめします。
利益率の高い商品をメインに扱う
商品が安いことはユーザーのメリットになりますが、反対に企業側の利益が少ないデメリットです。
商品を売れば売るほど配送や梱包などが忙しくなるものの、物流業務自体は売上を発生させません。
そのため、少ない利益で物流業務ばかりだと安定した利益を出すのは難しいです。
対策としては、利益率の高い商品に切り替える必要があるため、商品のラインナップを思い切って変える必要があります。
現在商品が定期的に売れているのであれば、切り替えるのにはなかなか勇気が必要です。
ただ変えなければそれ以上の利益が生み出せないのも現実ですので、思い切った判断が必要です。
利益率が高く安定して売れ続ける商品を探しましょう。
メルマガなどでリピーターを増やす
ユーザーは新規顧客と、リピーターの2つに分類できます。
売上を安定的に出すためには、新規顧客の開拓はもちろん大切ですが、リピーターを増やすことが大切です。
安定して利益を出すため必要なリピーターの割合は、一般的に商品を販売数ベースで7割以上だと言われています。
リピーターを増やすためには、継続的に使用される商品を販売するか、魅力的な商品をラインナップすることが大前提です。
その上で楽天市場では、商品購入にメールマガジン登録のチェックリストが設けられておりメ―ルマガジンをうまく利用する方法でリピーターを獲得する方法もあります。
特にオンラインショップは対面での接客がないため、一度限りの購入も多くなる傾向が高いです。
そのため、ターゲットが好む類似商品を増やすなど、このテナントから買いたいと思わせる工夫をしていきましょう。
こちらの『楽天市場で成功するノウハウ大公開!儲けている企業はここが違う』も、ぜひ参考にしてください。
出店を成功させるために『EC UP』もおすすめです。
まとめ
楽天出店の失敗とは「楽天に支払う費用>利益」の状態です。
楽天出店に失敗する主な要因は、ECサイトに出店すれば勝手に売れると思い込んでおり、ライバル企業や自社のターゲットの分析を怠ることです。
ユーザーのニーズを把握した上で、ライバル企業と自社と差別化を図ることで、ユーザーから選んでもらえる可能性が高まります。
加えて、楽天市場は検索から購入するユーザーが多いため、SEO対策も同時に行うことでユーザーから選ばれる(=売れる)ショップになっていきます。
また継続して利益を上げ続けるためには、状況の変化に併せて定期的に扱う商品や商品ページを見直すこと、またリピーターの獲得が必要です。
特に自社のターゲットにあったユーザーには再度利用してもらうためにメールマガジンの配信や好みの商品のラインナップを増やすなどブランド力を強化していきましょう。
楽天出店の失敗とは「楽天に支払う費用>利益」の状態です。楽天出店に失敗する主な要因は、ECサイトに出店すれば勝手に売れると思い込んでおり、ライバル企業や自社のターゲットの分析を怠ることです。詳しくはページ内で説明してますのでご確認ください。
楽天出店で失敗する企業の特徴を集めていきますと、原因は大きく6つ考えられます。「ECサイトを作れば勝手に売れると思っている」「検索表示されない、上位が取れない」「ライバル企業と差別化が出来ていない」「商品ページがわかりづらい」「ユーザーの分析に取り組んでいない」「利益率が低い」6つの原因は上から、考え方・検索表示・商品の転換率・利益幅と順に並べていますので、自社に該当する項目がないか確認しましょう。