楽天市場で出品していると、出品者都合の注文キャンセルの決断を迫られることがあります。
今の記事では、どうしても出品者都合で注文キャンセルをしなければならなくなった時、
- 出品者都合で注文をキャンセルをしたら、どのようなペナルティを受けるのか?
- 楽天市場では、出品者にどのようなルールでペナルティを科しているのか?
という点をまとめました。
楽天市場の違反に関する内容は、ショップの運営にとって重要な要素でもありますので、しっかり抑えておきましょう。
楽天市場で出品者都合キャンセルする場合
注文キャンセル1回ごとに違反点数は15点
楽天市場に出品している商品を、出品者都合で注文キャンセルする場合、注文キャンセル1回ごとに15点の違反点数が付けられます。(※2024年3月時点)
楽天市場では、出品者が違反行為を行った場合、その内容に応じて違反点数が加算される「違反点数制度」が採用されています。
年間違反点数が一定の点数を超えるとペナルティが発生する仕組みであり、必ずしも「違反=即ペナルティ」になるわけではありません。
ペナルティは累積された違反点数によって変わる
楽天では、1年単位で違反点数を累積していき、その点数ごとにペナルティが科せられます。
違反の累積点数によって違反レベルが設定されており、一番軽い違反レベル1のペナルティでも年間累積点数35点とされています。
注文キャンセルは、あって良いことではありませんが、ショップを運営していたら1度はぶつかる課題です。
起こってしまったことを真摯に受け止め、同じようなミスが起こらないようしっかり原因を見直して再犯防止に努めれば、ペナルティが科せられる点数には至らないということです。
ペナルティの主な内容とは
楽天市場の出店者に対するペナルティは、累積点数35点〜100点の間で5段階の違反レベルが設定されています。
違反レベル1に該当すると「検索表示順位のダウン」「ランキングの掲載制限」といった売上に直結する内容や、10万円以上の違約金などのペナルティが発生します。
違反レベルが高くなるごとにペナルティの内容も厳しくなり、営業停止や契約解除、多額の違約金支払いに至ることも。
違反点数を積み重ねない健全な運営を心がけましょう。
架空注文は80点
架空注文は、楽天市場のランキング上位を獲得するための不正行為とされており、違反点数は80点です。
違反点数80点というのは、それだけで違反レベル4に達し、ランキングの掲載制限や2週間の運営停止、140万円の違約金支払いなど厳しい処罰が科せられます。
「テスト注文の注文キャンセルを忘れていた」という場合でも、架空注文とみなされる可能性があります。テスト注文は1週間以内に確実にキャンセルするよう注意が必要です。
もちろん、ランキングを上げる目的での架空注文は悪質な不正行為ですので、絶対にしないでください。
楽天市場における違反点数制度とは
違反点数の累計でペナルティが科される
楽天市場では、違反内容に応じて違反点数が加算され、年間の累積点数によってペナルティが科せられる「違反点数制度」が採用されています。
この制度のポイントは、
- 違反点数が35点を超えなければペナルティは発生しない
- 1年間、違反レベルに達するたびにペナルティを受ける
の2点です。
軽微な違反内容は点数が低いため、再度の違反が起こらないよう改善できれば、ペナルティに至りません。
これを言い換えると、改善せずに違反点数を積み重ねたらペナルティが科されるということです。
楽天市場では、改善態度に応じたペナルティを受けるように設計されている、という点をしっかり押さえておきましょう。
違反項目ごとに違反点数が決まっている
楽天では、違反内容の重さごとに5点、15点、20点、35点、80点、100点と違反点数が決まっています。
各点数ごとの主な内容は以下の通りです。
【違反点数5点】
- 営業日に終日連絡が取れなかった
- 商品画像が適切でない など
【違反点数15点】
- 注文キャンセルなどの在庫管理不足
- 発送遅れによる配送遅延
- 明細書の入れ間違いによる個人情報漏洩 など
【違反点数20点】
- 商品ページの表現方法や表示内容が不適切
- 必須記載事項が未記載 など
【違反点数35点】
- 楽天の審査が必要な商品を、審査を無視して出品した
- 不適切な検索対策
- 権利の侵害
- 不適切なレビュー投稿の誘導 など
【違反点数80点】
- 詐欺あるいは脅迫行為があった
- 店舗関係者によるレビュー投稿(不正な検索表示操作)
- 架空注文(不正なランキング操作) など
【違反点数100点】
- 法令で販売が規制されているもの(麻薬や人体・銃や刀など)
- 既存商品の無断レプリカ・パロディ商品 など
また、禁止行為や禁止商材に該当しなくても、楽天運営が不適当と判断した行為には、その悪質さに応じて5点~100点の点数が加点されます。
違反点数の累積がリセットされるタイミング
違反点数は1年間累積され、毎年1月1日にリセットされます。
楽天の累積違反点数は、それぞれ35点、55点、75点、80点、100点に達するたびに違反レベルが上がり、1月1日までは、ペナルティを受けても点数は清算されません。
そのため、累積点数が積み重なり違反レベルが上がっていけば、年内に何度もペナルティを受けることもあり得ます。
その場だけでのペナルティではなく、1年間の店舗の改善態度を評価するシステムなのです。
累積違反点数ごとのペナルティ内容
違反レベル1
違反レベル1に達する点数と、ペナルティ内容は以下の通りです。
年間累積違反点数 | 35点 |
ランキング掲載制限 | 7日 |
検索表示順位ダウン | 7日 |
一部媒体掲載制限 | 7日 |
一時改装中処理 | なし |
講習制度受講 | レベル1講習※WEB講習への出席 |
違約金支払い | なし |
WEB講習レベル1を受講すると、ランキング掲載制限、検索表示順位ダウン、一部媒体掲載制限が免除されます。
違反レベル2
違反レベル2に達する点数と、ペナルティ内容は以下の通りです。
年間累積違反点数 | 55点 |
ランキング掲載制限 | 14日 |
検索表示順位ダウン | 14日 |
一部媒体掲載制限 | 14日 |
一時改装中処理 | なし |
講習制度受講 | レベル2講習※対面講習 |
違約金支払い | なし |
レベル2講習を受講すると、ランキング掲載制限、検索表示順位ダウン、一部媒体掲載制限が免除されます。
違反レベル3
違反レベル3に達する点数と、ペナルティ内容は以下の通りです。
年間累積違反点数 | 75点 |
ランキング掲載制限 | 21日 |
検索表示順位ダウン | 21日 |
一部媒体掲載制限 | 21日 |
一時改装中処理 | なし |
講習制度受講 | レベル1WEB講習、レベル2対面講習 ※未受講の場合は受講必須 |
違約金支払い | 70万円 |
レベル2までと違い、講習を受講しても制限の免除がなくなります。
また、ここからは違約金の支払いが発生します。
違反レベル4
違反レベル4に達する点数と、ペナルティ内容は以下の通りです。
年間累積違反点数 | 80点 |
ランキング掲載制限 | 28日 |
検索表示順位ダウン | なし(改装中処理のため該当しない) |
一部媒体掲載制限 | 28日 |
一時改装中処理 | 14日 |
講習制度受講 | レベル1WEB講習、レベル2対面講習※未受講の場合は受講必須 |
違約金支払い | 140万円 |
レベル3同様、講習を受講しても制限の免除がなくなり、違約金の支払い義務が生じます。
また、14日間の「一時改装中表示」とされ、実質の営業停止という重い処分が下ります。
違反レベル5-A
違反レベル5は、AとBの2種類が用意されており、違反点数が100点に達して「出店継続許可が出れば5-A」「契約解除になったら5-B」とふるいにかけれます。
違反点数が100点に達した場合、原則契約解除となりますが、楽天の判断により出店継続許可が下りる場合もあります。
違反レベル5-Aのペナルティ内容は以下の通りです。
年間累積違反点数 | 100点 |
ランキング掲載制限 | 56日 |
検索表示順位ダウン | なし(改装中処理のため該当しない) |
一部媒体掲載制限 | 56日 |
一時改装中処理 | 28日 |
講習制度受講 | レベル1WEB講習、レベル2対面講習※未受講の場合は受講必須 |
違約金支払い | 300万円※損害額が300万円を超える場合は、楽天が損害額に応じて算出した額を支払い |
レベル3・4同様、講習を受講しても制限の免除がなくなり、違約金の支払い義務が生じます。
※最大レベルまで達したため、300万円の違約金支払い後は違反点数がリセットされます。
違反レベル5-B
違反レベル5-Bのペナルティ内容は「契約解除」です。実質の強制退店処分となり、そのうえで違約金の支払い義務が生じます。
年間累積違反点数 | 100点 |
違約金支払い | 300万円※損害額が300万円を超える場合は、楽天が損害額に応じて算出した額を支払い |
300万もの違約金を支払ったうえでの強制退店処分となり、楽天市場のペナルティの中で最も重い処分となります。
違反点数の確認方法
違反があると楽天運営から連絡が入る
楽天市場に出店していて違反があると、楽天運営から違反行為について修正対応依頼の通知メールが届きます。
その通知メールに記載されている期日までに、修正対応を完了し運営へ回答を行うと、その対応を踏まえて楽天運営が判断し、違反点数が確定する、というのが違反点数確定までの流れです。
違反点数や違反レベル、ペナルティ内容については楽天からメールにて通達されます。
ペナルティがある場合はメールにて案内がありますので、内容をきちんと読んで確実に対応しましょう。
現時点での違反点数はRMSで確認可能
現時点での累積違反点数は、RMSで確認できます。
RMSにログインし、ページを下へスクロールすると「禁止商材・禁止行為」という欄があるので、その欄にある「過去一覧はこちら」をクリックすると違反行為が確認可能です。
また、違反に関して対応が必要であれば、「禁止商材・禁止行為」欄に「要対応●件」と記載されます。
対応が完了しているか心配になったら、一度ここをチェックしておくと良いでしょう。
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まとめ
楽天市場へ出店していると、はじめのうちは注文キャンセルのような在庫管理のミスが起こってしまうこともあります。
楽天運営側もそのことはしっかり理解しているため、改善がみられなかった場合のみペナルティを設けるような制度にしています。
大切なのは、同じようなミスが起こらないよう、原因と向き合って、対策していくことです。
楽天の違反に対する点数やペナルティについて確認し、健全な店舗運営を行っていきましょう。