株式会社Wacworks 代表取締役社長 舟瀬 
初めて海外輸入品を扱う方が躓きやすいのが、並行輸入品と正規輸入品の違いです。
Amazonでは、海外輸入品は「並行輸入品」と「正規輸入品」にはっきり分けられています。
この記事では、
- 何故並行と正規で分けなければならないのか？
- 並行輸入品のリスクは何なのか？
- 並行輸入品のメリットは？
- どのような人が並行輸入品販売に向いているのか？
を解説していきます。
海外輸入品の出品を検討している方は、是非チェックしてみてください。
「Wacworks」では、Amazon運営でお困りごとのある方に向けて現状の最適な施策を打ち出します。
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目次
Amazonの並行輸入品とは？
正規輸入品とは？
正規輸入品とは、日本の正規代理店が海外のメーカーから直接商品を仕入れ、日本の小売店や販売店が販売する海外商品を指します。
正規のルートから仕入れた商品なので、「買ってみたら日本語の説明書がない」「日本では使えなかった」というリスクもまずありません。
偽物が混入するルートを排除でき、保証もあり、Amazonでは正規品として扱われます。
正規輸入品は、Amazonユーザーの中でも、多少高くてもリスクを排除したいユーザーに向いています。
並行輸入品とは？
並行輸入品とは、海外直営店や海外正規代理店、免税店、特約店など、メーカー以外から仕入れた海外商品を言います。
第三者（メーカーが認めていない非正規代理店）を通じて仕入れるリスクや、保証がないことなどから、Amazonでは並行輸入品を「正規品と同一の扱いではない」とはっきり定義しています。
そのため、Amazonで海外輸入品を取り扱う際は、その商品が正規輸入品なのか、並行輸入品なのかを理解しておかなければなりません。
また、販売者も偽物を仕入れるリスクや、偽物と気付かず偽物を販売してしまうリスクをしっかり理解する必要があります。
取り扱う商品の幅を広げるには、国内OEMや中国輸入OEMという手段もありますので、以下の記事も参考にしてください。
ecgrowthlabo.comAmazonで並行輸入品を取り扱う際のメリット・デメリット
正規輸入品よりも安く仕入れができる
非正規ルートから並行輸入品を輸入するメリットは、仕入れ値の安さにあります。
並行輸入品の場合、商品の保証やカスタマーサービスもなく、日本語の取り扱い説明書も作られていません。
代理店を通していないので仲介手数料が取られることなく、正規輸入品にかかっている「商品を日本版で作り、品質を保証するコスト」もカットできます。
また、円安、円高がダイレクトに輸入に反映されるため、タイミングを調整すれば安く仕入れられます。
正規輸入品よりも安く仕入れができる分、正規輸入品より安く販売できるのです。
日本でまだ取り扱いがない商品を販売できる
並行輸入品を販売する大きなメリットとして、日本でまだ取り扱いがない商品を販売できる点が上げられます。
服やファッションアイテム、化粧品類、家具など、日本語の説明がなくても問題ない商品は多くあります。
また、精密機器や電化製品といった日本語の説明書がないと販売が難しいジャンルであっても、自身で日本語の説明書などを作成すれば、ニーズをゼロから創出することも可能です。
商品の認知度がなく売れるまでが難しい面もありますが、ライバルがいないので、うまく販売することができれば利益を独占できます。
偽物が混入する可能性がある
並行輸入品は非正規ルートから仕入れるため、どうしても偽物が混入するリスクが排除できません。
海外の輸入業者が偽物にすり替えられたり、輸入業者が偽物を掴まされていることに気付かずに卸してしまったり、並行輸入品には正規ルートと違って偽物が混入しやすいのです。
特にブランド品は偽物が出回りやすいため、信頼できる人に現地買い付けを依頼する場合でも、店頭に偽物が並んでいることを見抜ける審美眼がなければリスクを排除するのが難しい場合もあります。
そのため、業者や代理で購入する人を信頼できるだけでなく、本物かどうか見極められる能力の有無もポイントになってきます。
偽物を出品した場合のペナルティについては、以下の記事でも詳しく解説しているので、参考にしてください。
日本の規格に合わない可能性がある
並行輸入品を取り扱う際は、日本の規格に合っていなければなりません。
日本の規格に合っていないものを販売する行為は、「輸入規制をクリアしていない」として刑事罰の対象となることもあり、Amazonアカウントの閉鎖もあり得ます。
輸入規制に関わる法律は、
- 電気用品安全法（コンセントがついたもの、モバイルバッテリー等）
- 電波法（スマホ、タブレット、Bluetooth機器、ドローン等）
- 食品衛生法（食品、食品や口に触れる食器等）
- 薬機法（健康食品、化粧品等）
- 消費生活用品安全法（圧力鍋、圧力釜等）
などがあります。
輸入品を扱うのなら、輸入規制について必ず押さえておいてください。
保証が適用されない
並行輸入品を取り扱う場合、商品に不良があったとしても保証が適用されないデメリットがあります。
そのため、販売した商品が不良品だった場合、自店負担での交換対応や返品・返金対応、低評価レビューなどのリスクを背負うことを理解しておいてください。
また、メーカー保証がないことや、不良品だった場合の対応については商品詳細ページに全て明記しなければなりません。
その文面を見て「それでもいい」と言ってもらえるよう、商品の魅力や安全性を商品詳細ページでしっかり伝える必要があります。
Amazonで並行輸入品を取り扱う際の注意点
商品を仕入れたら検品を入念に行う
Amazonで並行輸入品を取り扱う場合は、仕入れた商品の検品をしっかり行いましょう。
並行輸入品は、正規輸入品に比べて信頼性が低いため、不良品を販売して低評価レビューがついてしまうと、今後の販売がかなり厳しくなります。
現地で正規品を買い付けて日本に輸入したとしても、飛行機の中で粗雑に扱われて破損している可能性も否定できません。
また、偽物をAmazonに出品しないよう、しっかり確認する必要があります。
偽物が混入していないか、商品に破損はないか、パッケージに大きなへこみや汚れがないか入念に確認してから在庫に入れましょう。
商品によっては出品制限がある
Amazonに並行輸入品を出品する場合、出品制限を設けている商品があり、事前に確認が必要です。
以下のカテゴリは出品禁止リストがあり、商品によっては出品できない場合があります。
- ビューティー
- ベビー＆マタニティ
- スポーツ＆アアウトドア
- 服＆ファッション小物
- 時計
- ジュエリー
- シューズ＆バッグ
以下のカテゴリは、関連法規の遵守が必須なうえ、Amazon独自のチェック項目が設けられています。
- エレクトロニクス
- カメラ
- ホーム（家具・インテリア・キッチン）
- ホームアプライアンス（小型代物家電）
- パソコン・周辺機器
ブランドが「並行輸入品の出品禁止」を名言している場合や、本物であることを証明するための書類が必要な場合、関連する法規をしっかり理解する必要がありますので気を付けましょう。
Amazonの出品規制とそのについては、以下の記事でも詳しく解説しているので、参考にしてください。
商品名に「並行輸入品」の記載が必須
Amazonに並行輸入品を出品する場合は、商品名に必ず「並行輸入品」と明記する必要があります。
この「並行輸入品」という文言は、商品名の末尾に自動で挿入され、出品者側が削除することができないようになっています。
これは、Amazonで「並行輸入品は正規輸入品と違う商品」としており、並行輸入品を買いたくないユーザーにわかりやすく知らせる必要があるからです。
もちろん、並行輸入品というだけで避けるユーザーも一定数いるので、注文までのハードルは正規輸入品よりも高くなります。
商品説明に商品の状態や保証がない旨を明記する
Amazonの商品詳細ページでは、商品に関する情報を明記しなければなりません。
一般的には、以下のような内容を記載します。
- 購入者はAmazonによるサポートを受けられない
- 並行輸入品に対する保証内容
- 不良品だった場合の店舗側の対応
- メーカーへの問い合わせができないこと
- 説明書などが日本語表記かどうか
- 付属品の有無
並行輸入品は、特に「思ってたものと違う」となりやすいため、ユーザーが商品の状態を把握できるようしっかり明記してください。
また、商品のコンディション説明欄に、並行輸入品となる理由も忘れずに記載しましょう。
記載の不備や偽物の出品でアカウント閉鎖も
並行輸入品の出品時には、Amazonが指定した内容を独自の判断で変更してはいけません。
特に気を付けなければいけないのは、以下の行為です。
- 「並行輸入品である」ことを隠す
- Amazonが設けた禁止ルールを無視する
- 偽物を出品する
- 輸入規制や関連法規を破る
これらの行為は、最悪の場合Amazonアカウント閉鎖や刑事罰もあり得ます。
Amazonアカウントを閉鎖されると、Amazonに預けている売上金は全額没収され、全ての販売ページが削除されるため、手元には売り先のない在庫が残ります。
新しく出品用アカウントも開設できないため、並行輸入品の出品時は十分気を付けましょう。
Amazonで並行輸入品販売が向いている人
Amazonで並行輸入品を取り扱うのは、リスクが大きく、難易度も高いと言えます。
ただし、このような人なら、並行輸入品の販売も向いているでしょう。
- Amazonでの並行輸入品の禁止ルールを遵守できる
- 並行輸入品の関連法規を理解し遵守できる
- 並行輸入品のリスクを理解し対応策や回避策を実施できる
- 海外からの輸入でも利益がとれる施策がある
- 独自の保証などの対応ができる
並行輸入品の販売は合法で、取り扱うこと自体に問題ありません。
並行輸入品は競合も少ないため、ルールをしっかり理解し、リスクを徹底的に排除できればブルーオーシャンです。
Amazonで並行輸入品を取り扱う際は「セラースプライト」を活用しよう
Amazonで並行輸入品を扱う場合には、セラースプライトを活用するのもおすすめです。
セラースプライトは、Amazonのマーケティング戦略全般の機能が備わった海外の分析ツール。
並行輸入品のライバルセラーのリサーチに活用できるため、売れ行きを元に商品の仕入れの判断をする際に活躍します。
無料版でもキーワードや販売予測を利用できますが、有料版だと様々なリサーチ・分析機能も利用可能です。
※有料版：月額98ドル、年払いは980ドル～（有料プラン複数あり）
全ての料金プランで月額金額が30%オフになる割引コードがありますので、是非ご利用ください。
コード：JW6010
並行輸入品を活用して店舗売上を伸ばしたい方はWacworksへ
Amazonで並行輸入品を取り扱うには、専門的な知識が必要です。
どのような商品を選定したらいいのか、どのように商品を探したらよいのか、関連法規は何を抑えたらよいのかなどの疑問を、無駄なくクリアしたいのなら、プロに相談してみませんか？
Wacworksは、100店舗以上の支援実績と経験があるECモール運用のスペシャリスト。
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まとめ
並行輸入品の販売は、最悪の場合アカウント停止の可能性もあり、ハイリスクハイリターンのように思われがちです。
しかし、
- 関連法規をしっかり理解し遵守できる
- Amazonのルールを順守できる
- 本物か偽物かを見抜ける
といった点がクリアできるのであれば、並行輸入品のリスクを取り除いてハイリターンを狙えます。
並行輸入品の取り扱いは理解しなければいけないことが多く、難易度は高いですが、競合は少なく魅力も多いので、是非挑戦してみてください。
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競合分析や市場分析がうまくいかずに悩んでいる場合も、お気軽にご相談ください。
