ACoS(広告売上高比率)とは
ACoS(広告売上高比率)とは
ACoSとは広告売上高比率のことで、広告のパフォーマンスを測定するために使用される指標です。
「エーコス」または「エーシーオーエス」と読み、売上をあげるのにどれくらいの広告費がかかっているのか、広告に効果があったのかを判定する際に使用します。
ACoSは、Amazon広告の運用の場面で使われることがほとんどなため、本記事でもAmazon広告を前提として解説します。
ACoSを算出する計算式
ACoSは、売り上げに対して広告費が占める割合をパーセンテージで示すもので、以下の計算式で算出します。
ACoS(%) = 広告費用 ÷ 広告経由の売上 × 100(%)
例えば、1000円の商品を販売するのに300円の広告費がかかったのであれば、この商品のACoSは300÷1000×100=30%です。
1000円の商品の広告費が200円だとACoSが20%となり、広告費が安く済むほどACoSが下がります。つまり、ACoSが低いほど「ACoSの数字が良い」ということです。
ACoSとROASの違いは何?
広告の効果を測定する指標として、ACoSと一緒に「ROAS(ロアス)」も押さえておきましょう。
ACoSは「売り上げに広告費がどれくらいかかったか」の、ROASは「広告に対してどれくらい売り上げをあげているか」の指標になります。
ROASは以下の計算式で算出します。
ROAS(%) = 広告収益 ÷ 広告費 × 100(%)
例えば、300円の広告に対して1000円の売り上げが上がったなら、この広告のROASは1000÷300×100=約333%です。200円の広告で1000円の売り上げが立てばROASは500%になります。
ROASは数値が高いほど広告の効果が高いため、大きな数字が出れば出るほど「ROASの数字が良い」ということになります。
ACoSを活用するために知っておくべきこと
ACoSの最適値の目安
ACoSの最適値の目安は「一般的には20~25%、20%を切ると優秀」です。
ただし、ACoSには原価や梱包費、送料などのコストは反映されていないため、あくまでも売上と広告費だけにスポットをあてた数値でしかありません。
粗利率15%、ACo20%であれば赤字になりますが、粗利率60%、ACoS20%なら利益が確保できていますよね。
必ずしも「20%だと良い」とは限りませんので、最適であるかどうかは粗利率・原価率と比較して判断するのが良いでしょう。
どんな時にACoSをチェックすればよいか
ACoSは広告の費用対効果の測定で用いる指数です。
利益を最大限確保するためには、商品の売り上げ額が全体の100%で、そのうち原価は何%なのか、広告費は何%か、梱包費や配送料は何%かを定期的にチェックし、無駄があればそぎ落としていく必要があります。
このPDCAを回す際に、広告が有効に活用できているか、広告に無駄がないか等、広告の運用をチェックするための目安になるのがACoSです。
ACoSを最適化すると何が改善するのか
販売で最大限の利益を確保するには、「販売数を増やす」「経費を削る」の双方が必要です。
販売数を増やすためには広告が必要ですが、広告費がかかりすぎて利益が確保できないのでは意味がありません。広告費を必要最低限に抑えつつ、最大限の利益をあげるのが理想的なのです。
ACoSが最適な数値に近づけば、広告運用に無駄がなくなり、利益が最大化した状態になります。
ACoS最適化のために広告で見直すべき点
キーワードは最適化されているか
ACoSを最適化して、利益を最大限確保するためには、広告が適切に運用されている必要があります。
購入に繋がらなければ、どれだけ多くの広告を出していても無駄になってしまうからです。
そのため、広告のキーワードは定期的に見直し、キーワードに「完全一致」「部分一致」「除外」などの個別設定をしたり、コンバージョン率が低いものは削っていく必要があります。
無駄な広告を削ることで、ACoSの数字が改善されていきます。
ターゲット設定を作りこむ
Amazon広告では、自分でターゲット設定をすることができます。
関連性の高いユーザーだけに表示させるなど、広告の設定を作りこめば、狙っている層だけに広告を表示させることができ、反応しない人を取り除いていくことが可能です。
ターゲット設定の効果をチェックし、再設定してPDCAを回していくことで、広告の無駄打ちがどんどん減ります。
広告が研ぎ澄まされていくと、ACoSの数字も良くなっていくということです。
入札金額は適切か
広告の入札額についても、こまめに見直して調整していくことが必要です。
Amazon広告の場合、推奨入札額は毎日更新されています。入札額が下がっているのに気づかなければ、安く出せるはずの広告に必要以上の広告費を払ってしまうことになるので、入札額の推移の確認は欠かせません。
自身の広告と競合の広告の表示位置や、推奨入札額で競合の入札額を把握しながら、入札価格を最適化していきましょう。
広告ランクを上げる
Amazon広告では、広告掲載順位は広告ランクによって決定されています。
広告ランクは、入札額だけでなく、キーワードやターゲットの設定も反映されており、商品ページと広告の関連性が高いほど、優位な場所へ表示されます。
広告ランクが低い場合、その広告は販売に結び付きにくいと判断されているということです。
広告ランクを上げることを意識すれば、自然とACoSが改善されるということを覚えておいてください。
ACoS最適化のために広告以外で検討する点
商品ページと広告のターゲットは一致しているか?
ACoSを最適値に近づけるためには、商品ページと広告のターゲットがマッチしていることが重要です。
いくらユーザーを広告から商品ページに呼び込めても、売り上げが上がらなければACoSは悪化してしまいます。
広告の見直しばかりに気を取られてしまうと、商品ページと広告のミスマッチが起こりがちです。
広告や商品の設定を作りこんだ後は、広告と商品ページでズレが生じてないか確認する癖をつけておきましょう。
ユニットセッション率をあげるために商品ページを充実させる
広告をクリックし商品ページを訪問したユーザーが、商品を購入する確率のことをユニットセッション率と言います。
更に購入率を高めるために、商品ページを充実させていきましょう。
ユニットセッション率は、商品写真や商品情報を充実させていくことで高めていきます。
商品の魅力を伝えるために、商品ページはしっかり作りこみましょう。
商品価格で競合に埋もれていないか
商品ページを見直す際は、出品している商品が競合と競える価格になっているかもチェックします。
最安値である必要はありませんが、周りに表示されている商品の中で自身の価格だけがかけ離れているとなかなかクリックされません。
特に、同じキーワードで広告を出している競合の価格は、広告や価格設定・戦略や打ち出し方も含めて参考になりますので、こまめに点検しましょう。
まとめ
ここまで、ACoSを使って広告の効果を最適化する方法について紹介してきました。
広告を利用する目的は、多くのユーザーを商品ページへ呼び込み、多くの売り上げを上げることにあります。
ACoS最適化に囚われすぎると広告ばかりに目がいってしまうので気をつけましょう。
商品ページをしっかり捉えたうえで、広告が有効に機能しているか見直す際の目安に、ACoSを使ってみてください。