ECサイトの運営者にとって、仕入れる商品の選択や数量を決める材料となるamazonランキング。amazonランキングを細かく分析しているサイト管理者も多いのではないでしょうか。
今回は正確でタイムリーな情報を求める方に向けて、「amazonランキングが表示されない原因と対策」を解説します。そもそもの仕組みから、表示されなくなった場合の対象まで、幅広い知識を身につけていきましょう。
目次
amazonランキングとは?
はじめに、amazonランキングの概要と表示される仕組みを紹介していきます。
「情報をチェックする習慣がある」という方も、今一度復習しておくことをおすすめします。
amazonランキングとは?
amazonランキングとは、その名の通りEC内の実績を表す指標の1つです。「amazonランキング」という言葉にまとめられますが、次のようにいくつかの種類が存在しています。
- 売れ筋ランキング:あるカテゴリでもっとも取引されたアイテムを対象とするランキング。1時間ごとのデータが集められ、反映される。
- 新着ランキング:新しく登録されたアイテムや予約商品を対象とするランキング。「気になる商品の新しいラインナップが出ていないか?」をチェックするためにアクセスするユーザーが多い。
- 人気度ランキング:これまでの取引実績ではなく、直近24時間のデータを反映したランキング。急上昇しているアイテムをチェックすることで、その背景を分析できる。
- ほしい物ランキング:「ほしい物リスト」に追加されたデータが反映されるランキング。気になっているものの、すぐに購入しない理由や動機の分析が可能。
- 人気ギフトランキング:その名の通り、「ギフト設定」されたアイテムを対象とするランキング。ギフトランキングの動向をチェックすることで、贈り物に適したアイテムであることを確認できる。
amazonランキングの仕組みとは
先程触れたように、amazonはさまざまなデータを収集し、ランキングという形で反映しています。売れ筋であれば、1時間ごとの実績がこれまでの取引数に加算され、順位化されます。
ただし、公開されている情報はここまでです。amazonランキングに表示されない理由については後ほどまとめますが、仕様変更などに伴うこともあります。対処法についても後述しますが、最終的には「自分自身で分析できるスキルを身につけておく」ことをおすすめします。
amazonランキングが表示されなくなることで生まれる影響
amazonランキングが表示されなくなる弊害は、リアルタイムで反響を確認できなくなることにつきます。特にECの運営をはじめたばかりの方は、「自身の施策が正しいかどうか?」を判断する指標を失うことを意味します。
また、amazonを分析するツールを利用している方も、場合によっては必要なデータが収集できない状況に立たされてしまいます。次に紹介する、amazonランキングが表示されない原因を把握しておき、常に冷静な判断ができる状況を作っておきましょう。
amazonランキングに表示されない原因とは?
ここからは、amazonランキングが表示されない原因を紹介していきます。
状況によってさまざまですが、「ブラウズノードの設定」や「そもそものランキング順位」、「アイテムの属性」などが主な原因と考えられています。
ブラウズノード情報が崩れている
amazonランキングに表示されない場合に考えられる、1つ目の原因がブラウズノードが崩れていることです。ブラウズノードとは「カテゴリ分けをするプログラム」であり、次の3つに分けられます。
- ルートノード:もっとも大きいカテゴリ(ホーム&キッチン、車&バイクなど)
- ブランチノード:中くらいに位置するカテゴリ(寝具、カーアクセサリーなど)
- リーフノード:もっとも細かいカテゴリ(ふとん、ドリンクホルダーなど)
アイテムを名称で検索しないユーザーは、このカテゴリから商品の絞り込みを行います。ただし、ページを編集する際などにブラウズノードが崩れた場合は、amazonがデータを集積できないためランキングに反映されることはありません。
ランキング外に位置している
100位以下の商品は、仮に売上につながっていたとしてもランキングに反映されることはありません。amazonECではよくあることですが、感覚的な販売実績とランキングの結果はあまり一致しません。
というものamazonランキングが、カテゴリ内の実績を反映したものであることが理由です。もちろん、1つの出店者のアイテムだけが高い実績を上げれば、ランキングも上昇します。ただし、相乗り方式である以上、ある出店者のアイテムだけが動くことはそう多くありません。100位以内に入らなければ表示されないため、カテゴリの特性を把握しておくことも重要です。
そもそも表示されない状況にある
amazonランキングが表示されない3つ目の原因が、「そもそも表示されない状況にある」というもの。amazonの一時的なサーバーエラーやアイテムの属性などが、考えられる要因です。
また公表されていないものの、一部の運営者の間ではカートを取得者でなければランキング表示されないと噂されています。SEO対策のように運営するamazonの意向によって、ランキング表示の要項が変更なることもあるのです。
amazonランキングに表示されないときの5つの対処方法
ここからはamazonランキングに表示されないときの、対処法を5つ紹介していきます。ブラウズノードの設定や商品概要の確認など、基本的な部分から確認を進めていきましょう。
ブラウズノード情報(カテゴリ)が消えていないか確認する
先程触れたように、amazonランキングに表示されない場合に真っ先に確認すべき箇所がブラウズノードの情報です。「ほかの商品ページを編集しただけ」という場合でも、稀に影響を受けることがあるため、当該商品のブラウズノードの確認をおこないましょう。
具体的な手順は以下の通りです。
- セラーセントラルの在庫管理のページから、ランキングが消えてしまっている商品の詳細の編集を選択
- 重要情報タブから推奨ブラウズノードを選択し、「編集」ボタンを押下
- 当該商品にマッチした商品タイプを選択
amazonへ問い合わせる
ブラウズノード情報への記載が済んでいるにも関わらず、ランキングが表示されない場合はamazonへの問い合わせ行いましょう。フォームはamazonセントラル内にあるため、簡単に問い合わせることができます。また、サーバーエラーなどの影響であれば、検索をかけることでブラウズ上に表示させることも可能です。
ただし「明確な答えが帰ってこない」、「たらい回しにあっている」といった口コミが多いことも事実です。問い合わせを行なわずとも、自分自身で原因と特定できる能力を身につけておくことも重要です。
100位以下のランキングをチェックする
先程触れたように、通常のアクセスだけではamazonランキングの100位以下をチェックすることはできません。ただし、ちょっとした手間をかければ100位以下のランキングを確認することも可能です。
出品しているアイテムが何位に位置しているのかを確認するためにも、以下の手順があることを把握しておきましょう。
- amazonセラーセントラルにログイン後、「出品大学」と検索する
- 検索結果に反映されている「Amazon出品大学」をクリックする
- 「Amazon出品大学」のページに遷移後、画面左側の「講座を選択」のメニュー欄にある「レポートとデータを活用しよう」をクリック
- メニューが遷移した後に表示される、「最新ランキングデータ(週間)」や「過去の売れ筋商品データ(月間)」を選択
広告を使ってランキングを変動させる
少し費用のかかる対策とはなりますが、広告を使ってランキングを変動させることも順位が表示されない場合の対処法です。amazonには次のような内部広告が用意されているため、コストを抑えられる方法で、ランキングを変動させてみましょう。
- スポンサーディスプレイ広告:その名の通り、いくつかの配信面に表示される広告。商品詳細ページに反映されてい情報をもとに広告が作られ、クリックするだけで詳細ページに飛ぶ導線を構築可能
- スポンサープロダクト広告:一般的なリスティング広告と同じく、一定のキーワードが使用されたときに反映される広告。詳細ページに使用する語句を紐付けることで、ユーザーにストレスのない広告を提示できる
- スポンサーブランド広告:ディスプレイ広告とは違い、1つのブランドに絞り込んだ状態で表示される広告。ユーザーが検索し、絞り込んだのちに表示される広告であるため、転換率が高い広告とされる
amazonを分析するためのツールを利用する
amazonランキングに表示されない場合は、分析ツールを使うことも1つの対策法です。使われているツールはさまざまですが、多くの実績をもつkeepaであれば次のような機能を活用できます。
- グラフ表示:商品価格やamazonランキングなどをグラフ化
- トラッキング:事前に設定した商品の価格が、基準を下回った場合に通知する機能
- 商品詳細の表示:amazonがセーラーとなっているアイテムの在庫数や定価、JANコードなどをわかりやすく表示
keepaにはこういった機能が搭載されています。ランキングだけを見ていてもわからない順位の変動が、分析ツールによって確認されることも少なくありません。
amazonランキングに上位表示させるには専門家への相談がおすすめ
amazonランキングに表示されない理由を確認しつつ、上位表示させたいと考える方は専門家へ相談を検討しましょう。「自身で分析できるし、お金をかけたくない」という方が多いことも事実ですが、無料で相談に乗ってくれるコンサルタントや運用代行も増加傾向にあります。
もちろん相性や実績など、検討すべき箇所があることも事実ですが、初めて相談する方には以下の企業がおすすめです。
- 株式会社Wacworks:Wacworksは、amazon運用のコンサルティングや代行などのサービスを提供。特にコンサルティング部門では、amazon運用を熟知したコンサルタントから、確度の高いアドバイスを受け取れる。運用代行においても、amazon事業全体をサポート。PDCAサイクルの高速化により、短期間で売上につながる体制を構築可能EC・D2Cの支援なら株式会社Wacworks(ワックワークス)
- 株式会社サイバーエージェント:さまざまな事業でのノウハウを活かし、広告運用事業に強みをもつ企業。BIツールの「CA Dashboard」や AIツールの「AI feed designer」を活用することで、いち早くPDCAサイクルをを回すことが可能株式会社サイバーエージェント
- 株式会社ザーナス:ネットショップ運営において、数々の実績をもつ企業の1つ。ネットショップ実務士、通販エキスパートといった有資格者のみを配置し、確かなノウハウを提供してくれる。株式会社ザーナス
相談できない場合は施策をうって分析しよう
「amazonランキングに表示されない」という事象を相談できない場合でも、次に紹介するような手順で分析することができます。100位以下のランキングをチェックし、外部ツールを用いて、その理由を明確にしていきましょう。
- amazon出品大学にアップデートされている情報を確認する:amazonセラーセントラルからamazon出品大学を選択することで、1000位までの売上数ランキングや売れ筋商品ランキングの確認が可能。ただし、1000位以下の場合は確認不可
- amazonサジェストキーワード一括ダウンロードツールを活用する:amazonで検索時に使用されるキーワードの抽出に使われるツール。検索されやすいキーワードを商品ページに反映することで、ランキングを変動させられる
- amazon広告を活用する:amazon広告を活用することで、露出を増やすことができる。かけるべき金額がわからない場合でも最適化ツールを活用することで、amazonが提供する各広告の自動的なチューニングが可能
まとめ
amazonへの出店者の中で、思いの外多くの方が遭遇している事象が「出品アイテムがamazonランキングに表示されない」というものです。そして、その原因はブラウズノードの設定から、amazonサーバーの一時的なエラーまで多岐にわたります。
そして、「出品アイテムがamazonランキングに表示されない」といった事象に備えるためにも、出品者が適切な知識を身に着けながら、相談できるパートナーを探しておくことをおすすめします。分析するツールを駆使しながら、実績のある企業へ相談を投げかけておくことで、よりスムーズな運用が可能になるでしょう。